48、探る(真咲視点) ページ1
あれから世子嬪の行動を
探るようになった。
彼女のことだから
聞いても答えないかもしれない。
それに、部屋の明かりを消して
隠れて話しているのを見ると
あまり公にしたくないんだと思う。
でも気になることが多い。
神の子、だとか。
神の元へ帰す、とか…
一体、何の話をしてたんだろう？
健水くんや、かなさんは、
このことを知ってるのかな…
聞いたら、教えてくれるのか？
｢うーん…｣
モヤモヤする…
なんとなく、
王族を裏切るようなことはしてないと思うけど
でも知らないことが多すぎるし
信用しきって良いのか、よく、わからない。
法律上、夫婦だとしても
それは、ほとんど形だけのもので
やっぱり心では夫婦だと断言できない。
こういうのを、仮面夫婦って言うんだと思う。
正直、お互いに国のために
良い王、良い王妃になれれば
どんなに関係が冷めきっていても問題は無い。
寂しい関係だよなぁ…
健水くんと、かなさんは
そんな表だけの関係じゃないのは
お互いに愛し合っているから。
じゃあ、健水くんと咲は？
表だけの関係だったか？
…いや。
お互いをちゃんと思い合っていたし、
夫婦として補い合えるところを補ってた。
健水くんも咲を大事にしていたし、
咲だって…
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順位があったかもしれないけど…
咲は健水くんを、王子様を、
心から愛してた。
でも俺は…
咲ほど、器用じゃないし、優しくない。
本当に酷い夫だ…
｢世子様！！！｣
｢そんなに慌てて、どうした？雅｣
珍しく伺いも立てず、部屋に入ってきた雅。
｢世子嬪様がお倒れになって
今、医女たちが診察しています！｣
｢すぐに行く！｣
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