控えめに仕事させて.7【番外編】 ページ7
『四天フェスタ、みんな楽しんでるなぁ』
4月10日、当日。生徒達はみんな楽しんでいるようだ。見廻りの仕事をこなすAもこの行事の雰囲気を楽しんでいる。
「なぁA。本当に俺と屋台回ってて良いのか?」
『いいのいいの。私の仕事は基本見廻りなんだし、久しぶりの幼馴染の再会なんだし楽しも?ね、ブンちゃん』
「ま、俺も楽しむつもりで来てるし。じゃあ美味いもんでも食いに行こうぜぃ」
彼女の仕事は各屋台を一つ一つ見ていき異常や緊急事態などが無いか、必要な食材や衣服が足りているかなどを予定通りに進んでいるかの確認する仕事。言わばこの学園祭の管理責任者なのだ。
しかし、主催者である自分が楽しんじゃいけないなど言わせない、とAは幼馴染と屋台を巡っている。
『ねぇブンちゃん。食べ歩きはまぁしょうがないから許すけど、手に溢れかえる程買わなくても…でもそれがブンちゃんか。ほらそれ持つよ?』
「ありがと助かるぜ。あとさ、これ食い終わったら休憩しね?俺歩き回って疲れたー」
可愛い幼馴染は無邪気に笑う。それに気づいてか女の子達はコッチを一斉に向くのだ。男達もこちらに目を向ける。Aは別にカップルじゃありませんからと首を横に振って否定する。
「そう言えばミスコンに出るんだろ?俺も見てくぜ。」
『うーん…恥ずかしいなぁ。まぁ特別に許すけど、甘いものが食べたくなったら全然買いにいってくれて良いからね?』
「おう。最後までしっかり見とくからな。でもAなら優勝できんじゃね?ま、期待しとくよぃ」
『期待しなくて良いから…でもブンちゃんの幼馴染として頑張んね。』
そう言うと少し照れくさく頬をかくブン太。可愛いだけあって視線が突き刺さる。そして通りかかった白石と忍足も鋭い目つきでA達の方へ視線を送る。思わず身震いをした。
そうして、幼馴染と別れ一人職員室に行き例のモノを持ち運ぶ。全員分入っている段ボールは持ち手があるとはいえ既に指先が擦れて痛い。
「どぎゃんしたと?」
気にかける様に何処ぞの博多弁系男子が声をかけてきた。男子テニス部レギュラーの一人で人気のある彼だが困っているとは言いにくい。
『ちょっと重いくらいだけだからそんなに気にしなくていいよ?』
「いや、それじゃ九州男児としていかんばい。迷惑じゃなかで貸してみ?」
『…うーん。じゃあお言葉に甘えて。ありがとね!』
「それでよか!!」
こうして、Aと千歳は微かな友情を築いたのだった。
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山下後輩(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» 原哲也ですか!!高校生組でも出せそうですね!!でもちょっと笑ってしまいました。小説は厳しいですがキリがついたら番外編で出したいと思いますね! (2017年11月4日 20時) (レス) id: d71824c5f5 (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 原哲也(ハラテツ)の小説も書いて欲しいです (2017年11月4日 19時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
マオ(プロフ) - 有馬さん» ありがとうございます!家庭事情により更新がものすごく遅くなりますが頑張っていきたいと思います!! (2017年6月6日 0時) (レス) id: 9f003b2981 (このIDを非表示/違反報告)
有馬 - すっごい面白いです!!!更新がんばってくださいね^ - ^ (2017年5月20日 22時) (レス) id: a61dc9da8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山下後輩(マオ) x他1人 | 作成日時:2017年4月5日 20時