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40、Wilvia ページ41

プログラムは順調に進んだ。

1度は聞いたことあるであろうオーケストラの曲や
今年、流行ったドラマやアニメの主題歌。

懐かしい童謡。



1度も聞いたことがないという曲は
今から演奏する曲ぐらいだろう。

『ウィルビア』

冬休み前日に、彼らに演奏した曲。

本当はピアノとバイオリンとチェロの曲。

私が生まれたときに、パパが作った私の曲。

自由を表すバイオリン。

それに合わせて踊るピアノ。

それらを包み込むチェロ。

私たち家族を表した曲。

他とは比べ物にならない程、特別な曲。



そして、この曲を
人前で演奏、三重奏をするのは、今日が初めて。

補聴器を観客から見えるようにして演奏することも。

パパも、ママも、
私のタイミングを待ってくれていた。

私が人目を気にせず、音楽と向き合う日を。

誰よりも心待ちにしていた2人が
私を急かすようなことしなかったのは
それだけ、私を想ってくれているから。

この三重奏をやる中で、
2人からの愛情が、とても伝わってくる。

自由奔放にしているようで、
しっかり見守っているバイオリン。

包み込むだけじゃなくて
進むべき方向へ導いてくれているチェロ。

2つの楽器が奏でる道を
迷わず、ただ真っ直ぐ進むピアノ。

目が合う度、微笑み合う。

とても、とても、幸せの満ちた時間。

どれだけ迷っても、躓いても、
私の生きる道は、やっぱり、ここしかない。

ここで生きていきたい。

41、境界線→←39、オープニング



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作者名:空井 奏音 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年11月12日 20時

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