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34、雰囲気 ページ35
アランside
｢ママ、その距離はやめてあげて｣
と、きららちゃんが間に入ってくれた。
｢どうしても近くで見たくて｣
｢目が悪いんですか？｣
｢ううん。両方2.0｣
と、周りにキラキラが見えるぐらいの
ドヤっぷり…
｢じゃあ、なんで、あんなに近かったんだ…｣
という凛空の小声が聞こえたけれど、
きららちゃんのお母さんには聞こえなかったみたい。
それは、ともかくとして…(？)
きららちゃんからは想像できない母上様だな…
きららちゃんの性格は、お父さん似？
｢今みたいなとこ、パパが見たら泣くよ？｣
｢それを言えば、男の子ばっかりの中に
ウィル1人だけでも泣くわよ？｣
｢やましいことはないんだけれど｣
｢それでも周りの目から、
どう映るかは十人十色だからね｣
さっきまでとは、だいぶ変わって、
母親らしい表情を見せた。
なんだろ…すごい不思議。
きららちゃんも独特の雰囲気というか、
不思議な部分はあるけれど、
それとは違う世界観を感じる。
｢せっかくなら年末の音楽会、皆さん、来ない？｣
｢え、音楽会？｣
｢ええ。ウィルもピアノで参加するの。
本当は楽団の家族だけのものなんだけれど、
コンサートマスターの権限で許可するわ｣
『！？！？！？！？！？！？！？』
情報量がすごい。
え、きららちゃんが音楽会でピアノ演奏する。
そして、きららちゃんのお母さんが
楽団のコンサートマスター…
てことは…？
｢もしかして、きららちゃんのお父さんも…？｣
｢父は楽団の指揮者です…｣
｢えぇっ！？！？！？！？！？！？！？｣
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