聴きたくて、聞きたくなくて (ページ30)

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29、少女マンガページ30

アランside

見てしまった。

真咲くんに、
なろ抱きされている、
きららちゃんを。

それを見てしまったとき、
心を刃物で刺されたようだった。

とても、とても、痛かった。

たぶん、関汰の気持ちを知っているから
複雑になったんだと思う。

そして、2人を見ていて
お似合いだな…とも思ってしまった。

美男美女だし、
2人の出会いが、お姫様抱っこって
少女マンガみたいだし。

意識しても、おかしくないと思う。

出会いが出会いだし、
付き合ってても、おかしくない、と、思う…

そう思ったら、その場にいられなくて
いつの間にか走ってた。

なんで、こんなにモヤモヤするんだろう？

俺は関係ないことなのに…

｢あー、アラン！｣

｢えっ、あ、何！？｣

｢これ、運ぶの手伝ってー｣

突然、引き止めてきた凛空の手には
クラス全員分のノート。

｢委員長に持って行くの頼まれちゃってさー｣

って、いつもと変わりない凛空。

でも俺は…

｢アラン、どうかした？｣

｢…いや、なんでもない。
早く持って行って、部室に行かないと｣

｢おう！｣

でも、やっぱり、どうしても気になって
交換したときしか使っていないメアドに
俺はメールを送った。

でも、その返事は、いつまで来ることは無かった。