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27、補聴器 ページ28
｢いつまで隠すの？｣
｢…可能な限り。
でも、もう、英城くんにバレてしまってて
ものすごく気を使わせてしまっています｣
｢そっか…凛空は優しいからなぁ｣
｢なるべく負担にならないように
気をつけていたつもりでしたがダメでしたね。
私のせいで余計な気苦労を増やしてしまっている…
冬休みが明けたら本格的に補聴器を使うつもりです｣
本当は、ものすごく怖い。
でも、このことのせいで
何かが歪んでしまうのは、もっと怖い…
怖い…
もう、何が一番怖いかなんて、わからない。
｢良いの？
何か理由があって使わなかったんでしょ？｣
｢…私のせいで誰かが苦しむのは
自分が傷つくよりも嫌です｣
そんなことになったら、
私は、また私を嫌いになってしまう…
｢自衛のために隠してるのに
そのせいで誰かが傷つくなら
自分を犠牲にするんだね｣
｢自分で蒔いた種ですから｣
｢…優しすぎるよ、きららちゃんは｣
そう言って優しく微笑んで
頭を撫でてくれた。
おかしいな。
私が先輩を励ますつもりだったのに
逆に私が励まされている。
どうして、私が泣いてるんだろう？
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