聴きたくて、聞きたくなくて (ページ20)

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19、環境ページ20

｢ごめんなさい、こんな話で｣

｢ううん。一番つらいのは、きららちゃんでしょ？｣

｢…もう、つらいとか、どうだとか、
わからないんですよ。
ただ同じことが起きてしまったら
私は、もう外へ出れなくなってしまう…
そんな気がするだけです｣

次は、立ち直れない。

もう、これ以上、環境は変えられない。

両親が反対する中、
どうしてもって無理を言って、今がある。

ここから、また変えるのは
私のエネルギーが足りない。

｢きららちゃんが信じてくれるかは
わからないけれど…｣

｢はい？｣

｢少なくとも、俺や関汰にアラン、
真咲くん、橙摩くん、雅くんは
前のクラスメイトたちみたいなこと、しないよ｣

私も、そう思う。

この人たちは信じても大丈夫だと思う。

出会って、まだ少しだけど、
彼らの笑顔には嘘が無い。

笑顔だけじゃない。

嫌そうな顔も、怒ってる顔も、ストレート。

偽っているようには見えない。

…でも今の私には、まだ一歩が踏み出せない。

あの出来事は、私にとって大きなトラウマで
まだ、それと一緒に生きていけていない。

いつか、いつか…とは思っているけれど
きっと、まだ、今じゃないんだと思う。

｢きららちゃんのペースで。ね？｣

｢ありがとうございます｣

言葉にできないところを察してくれた。

前のクラスメイトたちとは違う、
見返りを求めての行動じゃない。

わかっているのに。

わかっているのに、どうして…

私は前に進めないのだろう…