10、セミロング ページ11
関汰side
昨日、吉良さんが
雅くんと橙摩くんのせいで
怪我をしたと知った。
それを知ってから、ずっとソワソワしてて
気になって、気になって、仕方がなかった。
そのせいか、いつもより早く教室に着いた。
吉良さんが来るのを
今か、今かと待つこと5分程。
黒のセミロングの髪を、ふわりとなびかせ
教室に入ってきた吉良さん。
俺と、それほど身長は変わらないけど
どこか大人っぽくて、可愛いというよりは
綺麗という言葉が似合う彼女。
どうしても顔の方に目がいってしまうけど
今、見るべきは彼女の膝！
絆創膏では傷を覆うことができなかったのか
ガーゼが貼ってあった。
吉良さんか、そうでないかの前に
女の子に怪我をさせるとは何事か！！！と
昨日、真咲くんに叱られていた
橙摩くんと雅くんの姿が思い出された。
かなり反省したようで
もう一度、吉良さんに謝りたいから
時間を作って欲しいと2人に言われた。
俺が吉良さんに一目惚れしたことは
凛空とアランしか知らない。
それでも2人の申し出は
俺にとって好都合だった。
吉良さんに話しかける口実ができたから。
だから少し手が震えながらも
吉良さんに声をかけて
昨日のこと、2人が会いたいと言っていたことを
彼女に伝えた。
そこまでは良かった。
でも、吉良さんから
真咲くんの話が出たとき
彼女は考え込んでしまった。
その姿を見たとき、心がチクッと痛んだ。
俺が吉良さんに恋をしたように
彼女も真咲くんに恋をしたんじゃないか…と。
そりゃあ、助けてもらった上に
お姫様抱っこまでされたら
ときめかない方がおかしいと思う。
なんせ相手は他の誰でもない真咲くん。
ビジュアルが良すぎる。
真咲くんが恋敵なのかぁ…
ハードル上がったなぁ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 10人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
