48、王妃様付きの護衛 ページ49
｢花嬪様、
王妃様付きの護衛の方々が挨拶をと…｣
｢そう。すぐに通して｣
花嬪様の元を訪れた
王妃様付きの護衛三人。
何故わざわざ花嬪様の元へ来たのだろう？
｢花嬪様にご挨拶申し上げます｣
｢関汰、凛空、アラン…
よく来たわね。待っていたわ｣
待っていた？
一体、どこで彼らと出会ったの…？
｢花嬪様が王様に提案したと伺いました。
おかげで見習い剣士から護衛に昇格できました。
ありがとうございます、花嬪様｣
｢私はお礼を言われることはしていないわ、関汰。
護衛になれたのは実力があったからよ｣
｢ですが私は不安です、花嬪様｣
｢何が不安なの？凛空｣
｢本当に王妃様や王族の方を守れるほどの実力が
自分にあるのか、わからないのです…
こんなことを花嬪様に言うのもおかしいですが…｣
｢誰だって不安に思うことはある。
その気持ちを吐き出すのも大切だし、
それを払拭できるぐらい努力するのも大切。
自分にできることを頑張れば良いのよ｣
本当は花嬪様に相談するような内容じゃない。
王妃様付きの護衛ということは
花嬪様と関わることも、ほとんどない。
そんな相手でも、優しく相談にのる花嬪様は
本当にお優しい方だと思う。
でも、誰かを気遣えるほど
今の花嬪様は体調が良くない。
他言するなと言われたから、言わないけど
大丈夫なのだろうか…？
｢アランは私の顔をずっと見ているけど、どうかした？｣
｢あの…失礼かもしれないのですが…｣
｢そんなこと気にせず、話して良いのよ？｣
そう言われて、少し考えてから
｢その…花嬪様は、もともと色白なのですか？｣
｢え？｣
花嬪様も予想していなかった言葉に驚いていた。
｢その、あまりにも白いので
もしかしたら体調が良くないのではないかと…｣
｢アラン！それは失礼すぎるぞ！｣
｢良いのよ、関汰。
アランは私を心配してくれているのだから。
大丈夫よ。きちんと主治医の診察も受けているし
お腹の子も順調に育っている。
だから心配しないで、アラン｣
｢そう、ですか…
出過ぎたことを言ってしまい、申し訳ございません｣
｢良いのよ｣
その後、少し談笑してから
護衛たちは持ち場へと戻って行った。
初対面の相手に言い当てられるほどの顔色…
花嬪様は本当に大丈夫なのだろうか…
本当に誰にも伝えなくて良いの…？
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