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43、か弱い(真咲視点) ページ44
｢花嬪様っ！！！｣
｢真咲…うるさい…｣
｢花嬪様…良かった…｣
思っていたより、悪くなくて良かった…
｢亜弥…用意はできた？｣
｢はい…ですが、花嬪様…｣
用意？
まさか、どこかへ行こうと…
｢花嬪様、そのお身体で一体…｣
｢王様の元へ行く。
王様の元へ行けば、重臣たちもいる。
そこで話さなければならない｣
｢ですが、まずは休まれた方が…｣
｢休んでいても気は休まらない。
それは、この子にとっても良くない｣
｢花嬪様…｣
咲って、こんなに強かったっけ…？
つい、この間、流した涙。
あのときの、か弱い咲は、どこへ…？
｢行くぞ｣
｢はい。花嬪様｣
咲が王様の元へ向かうと言うので
俺もついて行く。
花嬪様付きの女官が今日は亜弥だけ。
さくらは、どこへ行ったのだろう？
こんな大変なときに主人の元を離れるだろうか？
｢ふぁ、花嬪様！｣
｢急いでいる。王様に取り次いで｣
｢えっ、は、はい。
王様、花嬪様が参られました｣
お付きの人が取り次ぐ前に
咲は会議の場へ入っていった。
一体、何をしようと…
｢花嬪！｣
｢花嬪様！｣
重臣たちの視線にも目を向けず、
ただ一点…健水くんのみを見つめ、進む咲。
王様である健水くんに礼をしてから
｢王様、少し私に
発言の時間をいただけないでしょうか？｣
｢えっ、ええけど…大丈夫なん？｣
｢ご心配には及びません｣
そう伝えると、咲は深呼吸をした。
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