7、王妃様(花嬪視点) ページ8
「王妃様にご挨拶申し上げます」
最高の礼を尽くす。
そのときに思い浮かぶ、この部屋までのこと。
王妃様の部屋に通されるとき
なんとなく女官たちの視線が冷たかった。
顔を上げて王妃様を見る。
王妃様も私のことをうかがっているように思う。
敵対心を抱かれているのだろうか…
「これからは同じ、王様の妻だ。
そして王族になったからには
規律を守り、女官たちの手本となりなさい」
「はい。王妃様。肝に銘じます」
「もう下がって良い」
え、これだけ?
さすがに、これは良いとは言えない。
お互いのことを何も知らず、
誤解ばかりが続き、不信感が募れば不仲になる。
そうなれば、王様が気を遣うかもしれない。
側室ごときの私が王様の心労を増やしてはならない。
ちゃんと誠意を、自分の思いを
王妃様に伝えなければ…
「王妃様」
「何?」
「嬪でありながら、王妃様を差し置いて
昨日のような儀式を執り行ったこと
お詫び申し上げます」
と、頭を下げて言った。
言ったけど…
なんで何も言わないの…?
この沈黙は、かなり、つらい…
一体、どう思われてるんだろう…
そして、いつまで、この状態…?
神経を逆撫でしてしまっていないだろうか…
もし、そうだとしたら
私は、これから、どう、ここで過ごせば…
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