Ballad of the Phantom

33、健水視点 ページ33

麗｢話を戻すんだけど、
王様と王妃様の関係どうにかならないかしら？｣

大弥｢どうにかって難しすぎない？｣

麗｢まぁ男と女だもの。
簡単にはいかないと思っているけれど
もう少し、平和にならない？｣

平和にって言われてもなぁ…

あんな様子じゃ、無理やろ…

来音｢そもそも、なんで、
あんなに麗王女のこと敵視するん？
喧嘩でもしたん？｣

麗｢初めて会ったときから、あんな感じ。
まぁ恋敵の娘が自分の愛する人から一番愛されてて
自分に見向きもしてもらえないのは
さすがに辛すぎるでしょう。
本当は、あの二人が結ばれるはずだったのに｣

『えぇっ!?!?!?!?!?!?!?!?』

麗｢私の母がいなければ
あんなに冷たい関係にはならなかったはずよ。
まぁ、そうなってたら私は生まれなかったけど｣


麗が言うには、こうや。

元々、王様と現王妃は許嫁やったけど
王様が麗の母に心を奪われて
現王妃との結婚をやめて、2人は結ばれた。

ずっと王妃になるように育てられて
王様に恋心を抱いていたのに
横から自分よりも身分の低い人が王妃になった。

だから麗が、どんどん母親に似てきて
しかも王様や他の人からの信望も厚いとなると
敵視せーへんわけがない。と…


麗｢何か問題を起こす前にどうにかしたいのよね。
何かあれば王妃様だけでなく、生まれてくる子にも
悪影響を及ぼす。それだけは絶対に避けたい｣

真咲｢でも、さすがに無理でしょ。
王様にその気がないのに｣

麗｢王妃様が妊娠したのも
王様の気の迷いとまで言われれば
誰だって傷つくわよ。愛しているのに｣

そりゃそうやけど…

でも、こればっかりは、どうも…

麗｢私が、あんな予知夢見なければなぁ…｣

爽太郎｢予知夢？｣

麗｢そうそう。
ほら、一応、女神から授かった命だから
それ相応の能力は持ってるの｣

しれっと、すごいこと言うたで、この人…

麗｢夢で見たものを現実にしたくないの｣

光黄｢…どんな夢だったの？｣

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