Ballad of the Phantom

46、健水視点 ページ46

麗の計画では
麗自身が犠牲となり
全てが終わるはずやった。

でも、そんなこと、許されへんかった。



健水｢具合どうや？｣

真咲｢まだ目を覚ましません。
解毒に時間がかかっているみたいで｣

宙｢でも、だいぶ顔色も良くなってきました。
命の危機は無いと思います｣

健水｢そうか…2人とも休んでええで。俺が側におるから｣

『はい』



麗は、麗さえいなくなれば
平和になるって考えてた。

確かに、表向きは平和になると思う。

でも、残された俺たちは？

とてもじゃないけど幸せにはなられへん。

麗を愛してしまってるのに
今更、忘れられへんし、簡単に手離したくない。

麗の計画を途中までは遂行して
そこからは俺が変えた。

今、こうしてる間にも
大弥と爽太郎が真犯人を調べてる。

必ず、怪しい動きをするはずやから。



解毒方法まで知ってんのに
それを実行せーへんかった麗は
目を覚ましたら怒るとして…

それまでにできることは、なんでもする。

例え、自分が犠牲になったとしても
俺は必ず、麗を助ける。





健水｢麗、はよ起きてや。

俺、寂しいねんから…｣





麗の細く、綺麗な手を握って
今は回復をただただ願うしか無かった。

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