Ballad of the Phantom

27、健水視点 ページ27

健水｢ちょっと待ったぁぁああ！｣

って会場へ乱入。

いや招待されてんねんから乱入ちゃうんやけど…

どうにかギリギリセーフで麗の前に立つ。

こんな登場の仕方してもうたから注目度がすごい。

でも、そんなこと気にしてられへん。

麗｢健水…｣

健水｢待たせて、ごめんな。麗｣

麗が、ここまで選択肢を作ってくれてんもん。

ちゃんと、その想いに応えたい。


王子様らしく、片膝をついて…

健水｢麗、俺の花嫁になってください。
そして一緒に、麗の夢を叶えよう｣

麗の前に手を出す。

これに手を添えてくれれば、決まりや。


麗｢本当にギリギリまでヒヤヒヤさせるんだから…
それに、こんなところでプロポーズされるなんて
思ってもみなかったわ。…でも｣

と、手を添えてくれた。

麗｢これから私の手を離さないでね？健水王子｣

健水｢当たり前や｣

麗と並んで立つ。

麗は、こんな景色を一人で見ててんな。

これからは絶対そんなことさせへん。


麗は手を握ったまま振り返り、

麗｢王様、私は健水王子と踊ります。
よろしいでしょうか？｣

と王様に言った。

王様は黙ったまま、一度だけ頷いた。

隣におる王妃様は不服そうやけど…

王様が良いって言うなら、
良い、ってことやんな？



そして、疎らな拍手が次第に大きくなり、
いつの間にか真咲だけじゃなくて宙たちも来てた。

近くには光黄くん、怜生、来音もおる。

知ってる人に、こんなに祝福されるんは幸せやな。



そして、二人で踊った。

広い会場で、何度も、長い時間。

こんなに見つめ合ったのは初めてや。

時折見せる麗の優しい笑顔。

これを、これから絶対に守る。

もちろん、弟たちも、エオッドもトルヴィアノも。

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