君に触れたい (ページ9)

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9、エミ視点ページ9

カナエ｢紫織が患ってるのって
心臓だけじゃないみたいやねん。
他の臓器とかも上手く機能せーへんときが
あるみたいで、お医者さんがよく来てる｣

そんな…

まだ10代なのに、そんなこと…

怜｢紫織が飲んでる薬の量を見れば
すごく心が痛くなると思う。
可哀想って思ってしまうのも仕方がない。
だけど特別扱いとかはしないであげて。
病弱な自分が紫織にとって何よりも嫌なことだから｣

病弱なせいで、両親からも、召使いからも
ほとんど愛されることが無かった彼女。

彼女を哀れんでしまうのは仕方ない。

でも、それを表に出さないとなると…

エミ｢私、自信が無いです…｣

とてもじゃないけど、病気を気にせずになんて…

カナエ｢そうやな。こんな話を聞いて
自信を持てる方がおかしいと思う。
けど引き受けた以上、辞めんといて欲しい。
これ以上、紫織を独りにするのは良くない。
召使いじゃなくても良い。
友達でも良いから、そばにいてあげて欲しいねん｣

二人は一年も、彼女のそばにいた。

今の話を聞く限り、楽じゃなかったと思う。

彼女を知れば知るほど、心を痛めたと思う。

それでも、そばに居続けたのは彼女を思う優しさ、
思いやりがあるから、情があるから。

二人が頑張ってきたことを無駄にしたくない。

でも…

怜｢慣れるまでサポートする。大丈夫｣

エミ｢はい…｣

怜さんが優しく、私の頭を撫でてくれた。

ほんの少しだけ安心した。

まだ不安は消えないけど…

真咲｢まずは仕事覚えないとですよね｣

カナエ｢そうやな。今のうちにシフト決める？｣

その後はシフトについて5人で相談し合った。

必ず、二人ずつで彼女のそばにいることを決めて
可能な限り、誰かと一緒にいる時間をつくること、
自分たちの休みも含めて決めていくことにした。