君に触れたい (ページ6)

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6、健水視点ページ6

光黄｢紫織の両親は火事で亡くなって
紫織はその後一年間、行方不明だった｣

え…？

真咲｢一年も？その間どこで、どうやって…｣

光黄｢詳しくは知らない。
でも紫織をここに連れて来たのは
ヴィオレッタっていう召使いだって聞いてる。
彼女だけは紫織を愛してくれていた召使いって｣

じゃあ、彼女にとって、ヴィオレッタっていう
召使いさんは特別な人なんやろうな…

光黄｢紫織の世話がバイト内容って言ったけど
本当の仕事は別。紫織が喜怒哀楽の感情を
表に出せるようにすること｣

それは、なかなか…

真咲｢かなり、難しいですよね…？｣

光黄｢怜とカナエも苦戦してる。
だから、みんなをバイトに誘った。
みんなだったら、紫織にとって
良い刺激になると思ったから｣

それで、俺たちなんや…

でも、エミの言うように、かなり難しい…

今まで長い間、作られた笑顔しかできなかった子に
本当の笑顔、怒った顔、泣き顔、困った顔…って
たくさんの表情をさせるのは…

自然と作られた笑顔にしかならんのに
それをどうやって…

光黄｢お願いします｣

って光黄くんに頭を下げられた。

思わず3人で顔を見合せた。

難しいことではある。

でも俺たちも、このことを知った後では
アルバイトを辞退する気にもなれず、
結局、光黄くんの頼みを引き受けることにした。