21、光黄視点 ページ21
光黄「紫織、具合どう?」
紫織「今は大丈夫です。
可能ならお庭を走ってみたいです」
光黄「発作が出るからだーめ」
紫織「ふふふっ」
健水くんたちが来るようになって
紫織の表情が穏やかなことが増えた。
健水くんたちを選んで良かった…
紫織「光黄さん、当主に呼ばれて来たんですよね?」
光黄「うん」
紫織「本当に…婚約、するんですか…?」
光黄「うーん…」
当主に呼ばれた理由。
それは俺と紫織を
婚約させたいという話を聞くため。
当主も還暦を超えている。
紫織の将来を考えてのことだとわかってる。
でも…
紫織「婚約の話、断ってください。
私は、この家で1人になっても生きていけます」
光黄「でも…」
紫織「ダメですよ。
あんなに素敵な彼女さんがいるのに
突然、現れた私を選べば、バチが当たります。
光黄さんが選ぶべきは私ではありません」
光黄「でも、紫織はどうするの?
まだ病状も安定してないのに」
紫織「日本にも福祉はあります。
医療だって十分です。
当主や皆さんが心配するほど
不安なことなんてありませんよ」
確かに、心配しすぎなのかもしれない。
でも…
紫織「私のためにも、私を選ばないでください。
私のせいで人生を犠牲にする人は見たくないです」
そう言うと、紫織はそれ以上、
そのことについて何も言わなかった。
当主の意見か、紫織の意見か…
どっちを選べば良いのだろう…
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