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43:過去 ページ43

「そうだ。ついでに解き方を教えてよ」


入口付近で太宰はふとそう言った。
魔人は思いっきり嫌な顔を見せて「教える訳ありませんよ」と口を開けていて、太宰はため息をついていた。


「ふーん、
彼女を半殺しにしているのは、一体どっちだろうね?」

「……貴方がさっさと殺されればいいものの。」
「うふふ、今は死ぬ気は無いよ。彼女が手に入るまでね。」

「はぁ…」


そう言って争いが起こることなく、太宰はAを外へ持ち出した。
魔人は一瞬殺そうか迷ったが、Aがそばに居るから仕留められない。


「…」


魔人は冷や汗をかきながら、顔を歪めていた。


___
__
_


昨日の事のようにいつも思い出す過去。

私は4兄妹の真ん中だった。
兄と姉と私と妹。
珍しい子供4人と言う家族だった。


〖ねぇね?〗
【うん。居たんだ】

〖…?〗


のに、私が産まれた時には姉が死んでいた。
いや゙殺されだが正確だろう。

異能力が無い姉は殺された。

こんな変な家族に限って特殊な能力持ちが生まれてしまったから。


兄はまるっきり情報系の能力者。
私は巧みに動かす攻撃系の能力者。


【A、ほら、あなたの妹よ】
〖いもうと…〗


自我ができてきた時に紹介されたのは妹だった。
妹は、異能力持ちではない。
でも容姿がいいことを理由に私に見せてくれた。


〖あかちゃん…かわいい〗
【うふふ、妹を大切にするのよ】

〖うん!ありがとう!お母さん!〗


私は妹のお世話が大好きだった。
でも、兄は好きじゃないらしい。

そして兄はずっと私に言っていた。


【僕たちは親に生かされてるんだよ。
A、姉みたいにならないで。もう目の前で見たくないっ…】

〖うん…?〗


そんな歪な家族の中で育った。
でも、家は貧乏でお金はない。。


【A。いい?貴方は人を殺してお金を奪うのよ】


お母さんはいつもそう言ってる。
そう教えられて、私の役目はそう言う役目。


《家族のため》


私は妹を持って嬉しかった。
だから、そう思いながら人を殺した。

簡単に殺せる。
血なんかかからない。


全て絞殺


(こんな紙がお金なんだ…)


財布から沢山もらって家に帰ってお母さんに渡す。
ずっと、そう生きてきた。

44:過去2→←42:後悔



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シグマ(プロフ) - 文ストさん» ありがとうございます!すごく頑張ってます、これからも楽しみながら無理せずやります! (2022年11月18日 1時) (レス) id: bd84de304f (このIDを非表示/違反報告)
文スト - とっても面白いです!1日に2回ほど投稿してて凄いです!これからもがんばってください! (2022年11月17日 18時) (レス) @page34 id: 7342f3c81f (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - ザイさん» ありがとうございます!お気に召していただいてよかったです。 (2022年11月6日 4時) (レス) id: bd84de304f (このIDを非表示/違反報告)
ザイ(プロフ) - 面白いです!猫っぽいとか性癖に直接ぶっ刺さりました。 (2022年11月5日 23時) (レス) @page11 id: 699f0917a9 (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - 水彩さんさん» 水彩さん!えへへ、ありがとうございます!! (2022年11月3日 14時) (レス) id: bd84de304f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mao2929891/  
作成日時:2022年11月3日 11時

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