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40:彼の秘密 ページ40

「…そんな殺しのことばかりじゃなくてさ、もっと甘えていいんだよ?」


治はそう言った。
自然と頭を撫でてくれて、上から彼は見てきた。


(甘える…?)


『甘えなんてのは昔、捨てた』
「…」

『なに?逆に甘えたら簡単に死んでくれる?』


私がそう言い返すと、彼は大きくため息をついた。
そしてどこか真剣な目で私を見た。。


「なら単刀直入に言うよ。
キミは魔人に洗脳されていることを理解してるかい?」

『理解してる』
「!」


彼の手つきが止まった。
そんな動揺した彼を見つめると、気に入らないような顔をしていた。


『私は自ら洗脳された。それだけ』

「どうしてだい?」
『変に感情を持っていいことないから』


私は冷たくそう言った。
そして起き上がると彼は退いてくれて、私は近くに落ちている服に腕を通した。


『私は恋人だけど、第一に暗殺者。そして魔人の部下』


(仕事の切り替えはちゃんとしてる)


着替え終わって振り返ると、不機嫌な治が居た。
私はふらふらっと傍によって、彼のほぼに手を伸ばした。


『知ってるでしょ?太宰治』
「…なんだか、腹立つんだけど…」

『治も元はこんな感じだったよね?』


私がそう言うと、彼はマフィア時代を思い出したのかゲッ…と顔を歪めた。


「…」

『共謀殺人138件、恐喝312件、詐欺その他625件。』

「!!」
『じゃぁ、そういう事で』


私は初めに貰った書類に書いてあったことを言って、部屋から出でいった。
財布は持っているし、お店が開いたら買ってから探偵社に行こうかな。


「…はぁ、めんどくさ…」


残された太宰はそう言った。
すると隣でモゾモゾ動き、体を起こした。


「本当に落とせんのか?」


彼はパッと目を開けて狸寝入りしていた。
いつからかはしらない。
でも、太宰はわかっていたかのように中也を見て悩んだ。


「さぁね。
でも、洗脳して落とされてるところを戻さなきゃ次に進めなさそうだ」

「そんなの手の打ちようがねぇぞ」
「…うーん、困ったねぇ…」

41:弱音→←39:殺し



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シグマ(プロフ) - 文ストさん» ありがとうございます!すごく頑張ってます、これからも楽しみながら無理せずやります! (2022年11月18日 1時) (レス) id: bd84de304f (このIDを非表示/違反報告)
文スト - とっても面白いです!1日に2回ほど投稿してて凄いです!これからもがんばってください! (2022年11月17日 18時) (レス) @page34 id: 7342f3c81f (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - ザイさん» ありがとうございます!お気に召していただいてよかったです。 (2022年11月6日 4時) (レス) id: bd84de304f (このIDを非表示/違反報告)
ザイ(プロフ) - 面白いです!猫っぽいとか性癖に直接ぶっ刺さりました。 (2022年11月5日 23時) (レス) @page11 id: 699f0917a9 (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - 水彩さんさん» 水彩さん!えへへ、ありがとうございます!! (2022年11月3日 14時) (レス) id: bd84de304f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mao2929891/  
作成日時:2022年11月3日 11時

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