36:首跡 ページ36
肩を上下に揺らして結構響いたみたいで、少し嬉しかった。
『…』
私は息を大きく吸って、中也にキスをした。
彼は大きく驚いたがそんなことを無視して息を送った。
…呼吸をしているからそれに合わせて。
すぐに慣れたようで1.2分すると、向こうは気分良さそうに舌を入れてきた。
そしてお互い撫でては口を離した。
(汚れた)
自然と袖で口元を拭くと、彼はケラケラ笑っていた。
「手前からしたのにそれはひでぇなァ」
『…別に。殺すのは1日1度だけでしょ?
それに人工呼吸なんて普通し終わったら口拭くから』
「なら上書きだな」
ふと、そう言って彼はもう一度キスしてきた。
思わず目を丸くすると、彼は「今度は拭くなよ」と言ってきたので止めた。
『ん。…首見せて』
「あー、結構強めにやったからなぁ…」
ふと、そう言って彼は首を見せてくれた。
カッターの切れ込みから血が出ていて、綺麗な服を汚していた。
首元には強く閉めた跡が残っていて、所々変色していた。
(ほんともう少しだったのに…。)
流石に中也の部屋の隅々までの物を把握してないから、してからまた考えるかぁ。
「ひどいか?」
『結構』
「うわ、隠せっかなぁ?」
『…』
ふと、じーっと中也を見ると彼の視線は私に向いた。
そして「なんだ?」と言ってきた。
(気になってたけど…)
『本当に誰にも言ってないの?暗殺者に狙われてること』
治の方は私が居るから言ったらわかる。
江戸川乱歩も私の立場が無くなるから言わないのは理解する。
けれど少し遠いマフィアにいる中也なら、人に言うことは全然可能だ。
すると中也は「言ってねぇ」と言った。
『…』
「言わなくても首領には何となくバレてるからな。
あと、別に声出して言うもんじゃねぇし。」
『そう』
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シグマ(プロフ) - 文ストさん» ありがとうございます!すごく頑張ってます、これからも楽しみながら無理せずやります! (2022年11月18日 1時) (レス) id: bd84de304f (このIDを非表示/違反報告)
文スト - とっても面白いです!1日に2回ほど投稿してて凄いです!これからもがんばってください! (2022年11月17日 18時) (レス) @page34 id: 7342f3c81f (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - ザイさん» ありがとうございます!お気に召していただいてよかったです。 (2022年11月6日 4時) (レス) id: bd84de304f (このIDを非表示/違反報告)
ザイ(プロフ) - 面白いです!猫っぽいとか性癖に直接ぶっ刺さりました。 (2022年11月5日 23時) (レス) @page11 id: 699f0917a9 (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - 水彩さんさん» 水彩さん!えへへ、ありがとうございます!! (2022年11月3日 14時) (レス) id: bd84de304f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mao2929891/
作成日時:2022年11月3日 11時