【文スト】マイ、ダーリンは２人【双黒】

２５：否定的 ページ25

『落ち着きました。ありがとうございました。中島さん』
敦「いえいえ！良かったです」


手を離し、そう言った。
中島さんは優しく笑い共に探偵社に帰った。

彼は子供の時、孤児院に居たそうだ。
そのせいか子供らしいことは全く出来ずに育ったから、無邪気な子を見るととても嬉しそうにしていた。

彼曰く、「幸せな子を見てるだけでいいんだ」と。


(心が綺麗な人だ…ホントに…)


綺麗すぎて…私とは合わない。


＿＿＿
＿＿
＿


探偵社に帰ると…なんと太宰さんは土下座させられていた。
彼の前には国木田さんや江戸川さん、与謝野さんまで居た。


敦「あの、ただいま帰りましたけど…」
『何してるんですか？』

国「帰ったか。見てわかるだろ。」


そう返してくれた。
結構責められて居たみたいで、太宰さんはどこか小さくなっているように見えた。


『…彼の説教？』

国「そうだ。あと…事情は乱歩さんから聞いた。
体がひ弱なのに無理をさせてしまったみたいだな。」


「トラウマを見せつけてしまったみたいだ、申し訳ない」と頭を下げてそう言った。
手を強く握っているし、悔しそうな声…きっと本心から思ってるみたい。


(ええええっ…)


江戸川さん…国木田さんになんて言ったんだ…？

まぁ、でも私は太宰さんから離れる訳には行かない。
どれだけ苦しくて病んでも、私は彼を”殺す”ために武装探偵社に潜入したのだから。


(まぁすぐに殺せなかった分…苦しむのは、今考えれば分かってたこと)


太「敦く〜ん、Aちゃ〜ん、助けて」

敦「だめです。ちゃんと反省して下さい。
それに新人さんに変なことしてた太宰さんがどう考えても悪いです。」


中島さんはそう言ったけれど、私は小さく手を上げた。
…うげぇ…
優しいキャラは好みではない。
演じる側も結構気持ち悪いものだ。


『あの…もう大丈夫です。。』
太「！」

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