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かのじょ35 ページ35

芥「な、なぜ……でもアイツは…」


芥川の声は酷く弱々しく震えていた。
過去のことを思い出したのか、辛そうに私を見ていた。


『あくたがわ……ふれてみる?』


私はそう言って手を差し出した。
でも、彼は手を取ろうとせずに混乱しているようだ。

後ろにいるみんなも、どこか不安そうにしている。


(ここは強引にか…)


私は芥川の手を無理やりとってギュッと両手で掴んだ。
ピクッ…と手が動いたのが分かった。


芥「…動く…?」
『わたし、生きてるの。ね?』


子供のようにキラキラとした目で彼を見た。
…そうだなぁ。

彼と初めの出会いは、私が切れた時のことだ。


〖おい、お前。今直ぐ餓鬼発言を取り消せ…殺すぞ〗
芥【は?】


あのキョトンとした顔はとても面白かったのをよく覚えている。
…だから、同じことをする。


『あー、猫かぶり辞めた辞めた。やってらんねぇ』
芥「!」


私は芥川に背を向けて鴎外の方に歩き出した。
そして『だっこ』と言うと優しく抱っこしてくれた。
鴎外の腕に乗り、芥川を見るとボケーっと私の様子を見ていた。

すると後ろから「えええ!?」と驚く声が聞こえた。
目線を向けると太宰が声を上げていた。


太「だっこなら、私がしてあげるのに!」
『異能が解ける』

芥「太宰さんっ!」

太「えぇ…」


太宰はガクッ…とした後、芥川の方を見た。
そして「なんだい?芥川君」とニコニコ笑っていた。


芥「!?……」


まさか自分に目を向くとは思っていなかったのだろうか。
口をパクパクして混乱しているようだった。

(ん?)

その時、太宰が私の方を向き、目が合うとなにか伝えてきた。
彼は[一緒に一芝居打たないかい?]と伝えてきた。


〈なにを?〉

太[Aの事を信じさせる芝居]


太宰は得意げに伝えてきたが、別にそんなことしなくていい。
…まぁ大方したい理由はわかる。

太宰と会った時の初め、私と鴎外は一芝居打った。

それを自分の弟子_芥川の前でも打ちたいのだろう。
親子揃って似ているものだ。


〈嫌…猫の恨み〉

太[つまんないなぁ…]


『芥川』
芥「な、なんだ…?」


ふと声をかけるとすぐに向いた。
そしていつものように哀れむようにニコニコ笑って口を開けた。


『いつまで経ったも頭が固いなぁ。アイツと同じだなぁ』

中「…うっ…」
芥「??」

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2021年12月3日 0時

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