絶対命令【文スト】 (ページ7)

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『ごめんなさい』

彼女はそう言った。
ある本拠地で彼女は膝をつき、後ろで両手を縛られていた。
周りには拳銃を持った黒服達が居り、銃口は彼女に向いた。

「はぁ…まぁしばらくの情報は大丈夫だろう」
『……』

椅子に座っている男は考えながらそう言った。
取引先を1つ、失った。

(嗚呼、不機嫌…)

彼女は目線を落とした。
_1人も失わずここに連れてくると言うことが守れなかった。

「…お前の罰は7回死だ」
『！？』

ﾋﾟｸｯ_

彼女は泣きそうな顔で男を見た。
今までの無表情な顔が崩れ、両手を合わせて拝んでいた。

『な、7回は…ギリです…やめてください…』
「人間はそれが普通なんだ。連れてけ」

そういった途端、周りにいた男は彼女の腕を掴んだ。
その瞬間、彼女は嫌がったが男が強く掴んでいるのか振り払うのは不可能だった。
そしてそのまま部屋からどこかへ連れて行かれた。

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彼女が連れていかれたのはたくさんの血で汚れている地下だった。
縛られている手を1度解き、慣れた手つきで壁についている手錠に付け替えられた。

『……』

彼女は何も言わなかった。
諦めたような真っ黒な目で静かにしていた。
たくさんいる男は何人か出ていき、残ったのは1人だった。

彼の手には拳銃があった。

「すまねぇな、ボスの命だ」
『……はい…分かっています。7回、時間を開けてどうぞ』

彼女は7回、撃たれた。
眉1つ動かさず、ただ目を閉じて開けてを繰り返した。

7回目を撃たれた時、異能力が消えた。

いつものキツネの耳は消え、力を失ったようにグッタリと薄く目を開けていた。
ひどく咳き込み、彼女の周りには生臭い血の香りがひどく鼻についた。

『……眠たいです…』

彼女はそう呟いて深い眠りに落ちた。
涙を1つ落とした。

異能力【九尾】

9回死んでも生き返る。
血の着いたところに炎を宿すこともできる。
尻尾を上手く使えば煙を吐き、姿をしばらく消せる。
手首に残りの死ねる回数が現れる。

深く眠り、起きた時に異能力が戻る。