パカさんの精神人外説 ページ28
いつの間にやら窓に張り付いてパンダを眺めていた入出さんを諌めて、パカさんは次を促した。
すると、隣に座っていた伊奈葉さんが、緊張なのか震えながら立ち上がる。
その動きに合わせて、なぜか腰に下げられている閃光弾ががしゃりと揺れる。……いや本当、昨日から思ってたけど、なんで持ってるんだろうね。
「い、伊奈葉ヒミコです。好きなゲームは育成シミュレーションゲームです。動物育てたり、農園作ったりするのが好き、なので……」
育成シミュレーションか。個人的な偏見だが、伊奈葉さんは家庭的な感じがするので、似合う。
伊奈葉さんが消えいるように自己紹介を終えると、パカさんは拍手をしながら彼女に近づいていった。
「貴方のささやき実況、実はワタクシとりわけ熱心に拝聴してまして。こうして生声をお聴きできるとは、ファンとして光栄の至り……」
妙に興奮した様子のパカさん。
この人、一人に肩入れすることってあるのか。まあ、人間だし仕方ないのか。
……というか、なんだかこう、パカさんの雰囲気が不穏、なような、
「ぜひ一度、ささやいていただけないでしょうか。──アイ ラブ ミスターパカ……と、みっ……耳元でっ……！」
……おっと、これは。話が変な方向、というか変態的な方向に進んできた、ような。
なにとぞ、やらなんやらと言いながらじわりじわりと伊奈葉さんに近づいていくパカさん。そして、可哀想なくらいに怯えてしまっている伊奈葉さん。
うん。通報したいレベルの案件だ。できないが。
これは助けるべきなのだろうか。
パカさんの挙動に引きながら、助ける方にぐ 軍配が上がっていると──
──ゴキン
派手な音を立てて、鉄パイプが黒板に叩きつけられた。ヒビが入って、はらりと欠片が落ちる。
それをパカさんは真横から、感情をあらわにすることもなく、ただ眺めていた。
……いや、メンタルが強靭すぎないか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 34人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kima(プロフ) - 海獣さん» コメントありがとうございます。続編はある程度書いてから投稿する予定なので、少し待たせてしまうことになると思いますが、読んでいただけると嬉しいです。 (2022年10月22日 13時) (
レス) id: 6fedac0470 (このIDを非表示/違反報告)
海獣(プロフ) - マジで最高でした！！続き楽しみに待ってます！！ (2022年10月21日 23時) (レス) @page42 id: b62edcffd1 (このIDを非表示/違反報告)
kima(プロフ) - なーさんさん» コメントありがとうございます。とても励みになります。更新ペースがすごく遅いですが、投稿をやめる予定はないので、気長に待っていただけると嬉しいです。 (2022年8月22日 1時) (レス) id: 6fedac0470 (このIDを非表示/違反報告)
なーさん(プロフ) - 個人的にめちゃくちゃ好みです！！更新頑張ってください！ (2022年8月21日 15時) (レス) id: 64a4afe500 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：kima | 作成日時：2022年5月23日 9時
