朝食は軽めに、団欒のなかで ページ21
「……本当に事故だったんだな？あの目つきの悪い男に襲われたわけじゃないんだな？」
「大丈夫ですよ。むしろ非があるのは私の方ですし」
「テメェ喧嘩売ってんのか」
もう何度目かの同じ質問を受けて苦笑する。私、そんなに信用がないのだろうか。
あの後、忍霧さんには事の経緯を一から全て説明し、とりあえずは納得してもらった。
あれのせいで忍霧さんと駆堂さんの仲が険悪になったが、大丈夫だろう。
あれは多分例えるなら、「少年漫画におけるちょっとソリが合わない二人」だ。するときになれば協力もできるはず。……多分。
あれからすぐ後に全員が揃って、今は皆で朝ご飯を食べている。とはいっても、新参の二人はもう食べたし、私はコーヒーだけれど。
ちなみに、逢川さんは路々森さんが引っ張ってきた。ヒナヒナがいなかったから、だとかなんとか言っていた。
「なあ、アン坊とひーみんも、目が覚めたら森にいたんだな？」
「だからアン坊はやめろって……いや、もういい。そうだ。それからすぐこのチビに会った」
「目立つ建物がタワーしかなかったので、ここに来たんです」
なるほど、私達とほとんど同じだ。……というか、駆堂さん、路々森さんのあだ名に順応するの早いな。これが若さか？
そこまで聞くと、路々森さんは天井を仰ぎ見て、うぅーん、と唸った。気持ちはわかる。
「手がかりナシの現状維持だにゃー。……それにまだ、これで全員揃ったわけじゃないし、とりあえず彼らが来るのを待つか」
「おい待て、これで全部じゃないのかよ」
「居住スペースに、あと三部屋あったんです。ネームプレートもかかってたので、多分あと三人来ます」
「………多くね？」
わかる。九人も一気に攫ってくるなんて、多すぎる。恐らく、組織的なアレなのだろう。
……今後が悩ましいな。飲み頃くらいの温度のコーヒーを口につけて、ほっと息をつく。この香りはいいな、気持ちが落ち着く。
「ヒナヒナはそれだけかい？」
「朝は食欲がなくて、いつもこれなんですよ」
「ふむ。……まあ、ゲームの途中なんかでエネルギー不足になったりしないように。何があるかわからないからな」
「気をつけます」
まあ、多分大丈夫だろう。いつもこれだし、もともと燃費は良い方だ。一食抜いたところで問題はない。
それにしても、賑やかになったな。……それこそ、居心地の悪さを感じてしまうくらいに。
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kima(プロフ) - 海獣さん» コメントありがとうございます。続編はある程度書いてから投稿する予定なので、少し待たせてしまうことになると思いますが、読んでいただけると嬉しいです。 (2022年10月22日 13時) (
レス) id: 6fedac0470 (このIDを非表示/違反報告)
海獣(プロフ) - マジで最高でした！！続き楽しみに待ってます！！ (2022年10月21日 23時) (レス) @page42 id: b62edcffd1 (このIDを非表示/違反報告)
kima(プロフ) - なーさんさん» コメントありがとうございます。とても励みになります。更新ペースがすごく遅いですが、投稿をやめる予定はないので、気長に待っていただけると嬉しいです。 (2022年8月22日 1時) (レス) id: 6fedac0470 (このIDを非表示/違反報告)
なーさん(プロフ) - 個人的にめちゃくちゃ好みです！！更新頑張ってください！ (2022年8月21日 15時) (レス) id: 64a4afe500 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kima | 作成日時：2022年5月23日 9時
