朝の一人時間、そして新たな来訪者 ページ18
シャンプーを泡だて、温かいシャワーですべて流して、コンディショナーで軽く毛先を整える。
続けてボディソープを手に出して、身体に擦り付け、洗顔で顔を洗い、手探りでシャワーを掴んで洗い流す。
浴室から出て身体と髪をタオルで拭いて、カゴに入れておいた服を身につける。
制服ではない。あれを着たまま寝落ちてしまったので、ブラウスにハイウエストのショートパンツという、動きやすい私服だ。ついでに乾かした髪もポニーテールに纏めてしまおう。
ドアを開けると、いつも通りのマンションの通路……ではなく、まだ見慣れない、ゲノムタワーの内部が広がっていた。
……なんでどこもかしこも、このタワーは白いんだろう。病院かなにかか、ここは。
「……やっぱり、昨日のは夢じゃなかったんですね」
起きた時の風景と部屋の内装に、誘拐が夢であることをほのかに期待していたのだが。
少し落胆して溜息を吐いた後、エレベーターに乗って、昨日食事をしたキッチンのある階まで行く。
「……誰もいない。朝ご飯、どうしようかな」
昨日のお米とお味噌汁、ロールキャベツが余っている。けれど、朝からロールキャベツは重いだろうか。
路々森さんとか忍霧さんとか、重いのは得意じゃなさそうだ。私の主観だけれど。
ご飯とお味噌汁と、あとは即席漬けでも作ろうか。きゅうりとにんじん、キャベツ、カブ、昆布あたりで。量産できるし。
あともう一品ほしいな。……ベーコンエッグとかでいいか。ハ○ルの動く城みたいな。
即席漬けの野菜を全部小さめに切って、タッパーに入れて塩を馴染ませる。あとはしばらく放置だ。今のうちにベーコンエッグを作れる分だけ作っておこう。
ベーコン一枚を半分に切って、フライパンに並べる。少し焼いたらその上に卵を落とし、水を入れて蓋をする。
それを繰り返して四人分作り終えると、大体時間がちょうどいいので、漬物に戻る。
タッパーを開けて、酢と砂糖を……まあ適当に感覚で入れて混ぜ合わせ、水気を切る。それに、細く切った昆布を混ぜたら完成だ。
ご飯とお味噌汁を温めるのは、皆さんが起きてきてからでいいだろう。
椅子に座って一人で待っていると、不意にエレベーターが開く音がした。
誰がきたのかな、と後ろを向くと、そこには──見慣れない少年と少女が、立っていた。
「……あー、とりあえず、朝ご飯食べます？」
被害者と被害者と加害者、そして傍観者→←家宅侵入も罪状に追加で
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kima(プロフ) - 海獣さん» コメントありがとうございます。続編はある程度書いてから投稿する予定なので、少し待たせてしまうことになると思いますが、読んでいただけると嬉しいです。 (2022年10月22日 13時) (
レス) id: 6fedac0470 (このIDを非表示/違反報告)
海獣(プロフ) - マジで最高でした！！続き楽しみに待ってます！！ (2022年10月21日 23時) (レス) @page42 id: b62edcffd1 (このIDを非表示/違反報告)
kima(プロフ) - なーさんさん» コメントありがとうございます。とても励みになります。更新ペースがすごく遅いですが、投稿をやめる予定はないので、気長に待っていただけると嬉しいです。 (2022年8月22日 1時) (レス) id: 6fedac0470 (このIDを非表示/違反報告)
なーさん(プロフ) - 個人的にめちゃくちゃ好みです！！更新頑張ってください！ (2022年8月21日 15時) (レス) id: 64a4afe500 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kima | 作成日時：2022年5月23日 9時
