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22話:想い ページ23

だからこの想いは、墓場まで持っていく_。

私は、この気持ちに気づいた時からそう誓った。



里「‥そう、ねぇ香坂さん。
  そんなにその想いはいけないものなの?。」


『え‥‥?』



私は、目を見開いて里香ちゃんを見た。

どういうこと___?



里「好きなものは好きなんだもの、
  しょうがないじゃない。」



『だって‥、主君だよ?
 いつか由緒正しい一族の女性と結婚するんだよ。
 私じゃ___。』



里「香坂さんも由緒正しい一族でしょう。
  だったらチャンスはあるんじゃない?」



私は里香ちゃんの言葉を聞いて驚いた。

確かに私の一族は昔から呪術界に携わってきた、
一応由緒正しい一族だ。



『そっか‥、確かにそうだね‥。
 でも私よりもお似合いの人がきっといるよ。
 結ばれなくて良い、あの人を支えたいんだ__。』



私は、最強と謳われ一人孤独の道を進んでいる
あの人を支えたい。



もし両想いになって、付き合えても別れてしまったら元の関係には戻れない。

私は、そんな細い繋がりよりもっと太くて丈夫な
繋がりが欲しい。

だから両想いにならなくても良い。

両想いじゃなくても側に入れれば幸せだから____。



里「‥そう、香坂さん素敵ね。
  そんなにあの人が大切なのね。」


『うん、私の命より大切な人だよ。』



もしあの人が倒れてしまったら
私の命をかけても、絶対に救ってみせる___。



乙「‥ん、んんん‥。」


里「‥そろそろ時間ね。
  楽しかったわ、ありがとうAさん。」



里香ちゃんが私を名前で呼んでくれた。



『_!こちらこそありがとう、里香ちゃん!』




_________________________




乙「‥ん‥‥、あれ?僕‥。」



あれ?僕、寝ちゃったのかな?
って、Aさんは?!



僕はそう思い、辺りを見回してみると
Aさんは向かい側に座り、
窓の外の木を見ていた。



乙「あ、Aさん‥、え?」



よく見るとAさんの頬に涙が見えた。



『あ、乙骨くん。おはよう。』



Aさんの顔が横から夕陽に照らされている。

その姿はとても儚く、今にも消えてしまいそうだ。



乙「‥Aさん、大丈夫?」



僕は不安になり咄嗟に言った。
僕が寝ている間に何かあったのかな‥。



『‥平気だよ。もう暗くなってきたし、
 今日は終わりにしようか。』



乙「‥うん。」



Aさんはそう言って、女子寮へ戻った。



その背中はまるで消えてしまいそうなくらい小さく見えた。

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作者名:きのこの森 | 作成日時:2020年5月5日 10時

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