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20話:里香ちゃんと私 ページ21

その日から私は乙骨くんに反転術式を教え始めた。



乙骨くんは飲み込みが早く、少しの治療なら
できるようになった。



『乙骨くん、すごいね!少ししか教えてないのに
 すぐできるようになったじゃんか!』


乙「そ、そうかな‥。」



私たちは、寮の共有スペースで休憩をしていた。

乙骨くんの成長のスピードは早く、教えている側としてはとても嬉しい。



『この調子で頑張ろうね!』


乙「うん!」



私たちはジュースを飲みながらニコニコ笑い合った。

なんか甘いもの食べたいなぁ。



『そうだ!私の部屋にチョコあるから取ってくるね。
 一緒に食べよう?』


乙「え!? 食べたい!
  甘いもの食べたかったんだ!」



乙骨くんが目を輝かせながら言った。

呪力使いすぎるとお腹空くもんね(笑)



『取ってくるから待ってて!
 すぐに行ってくる!』


乙「わかった、気をつけてね。」



私は乙骨くんにそう言うと女子寮に向かって走った。

乙骨くん、少し疲れ気味だったから
たくさん持って行こーっと!





__________________





私は自分の部屋に戻り色んな種類のチョコを
持って来た。



『乙骨くん!お待たせーってあれま。
 寝ちゃってる‥。』



乙骨くんは、ジュースを両手で持ちながら
うとうと寝ている。

真希ちゃんの特訓+反転術式の特訓は
やはり体の負担の大きかったのだろう。



私は、乙骨くんの向かい側に静かに座った。

うわぁ、まつげ長っ。



『どうしよう、起こすのはかわいそうだし‥。』



どうしようかと考えていると、乙骨くんの隣に
黒いもやが見えた。

あれってもしかして__。



『‥里香ちゃん?』



私は、囁くように言ってみた。



里「‥‥私が見えるの?」



小学生くらいの女の子の声が聞こえた。

もしかして里香ちゃんの声?



『うん、見えるよ。
 初めまして、香坂Aです。
 よろしくね、里香ちゃん。』



私は、里香ちゃん(黒いもや)に笑いかけた。



里「‥あなたって変わってるのね。
  ねぇ、憂太の事好きなの?」



里香ちゃんが突然爆弾発言をした。

私は驚いて、ジュースを吹き出しそうになった。



『ぶっふぉぉ!!
 ん!?す、好きじゃないよ!?
 私には他に好きな人がいるから‥。』

21話:恋バナ→←19話:反転術式



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作者名:きのこの森 | 作成日時:2020年5月5日 10時

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