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「………そういえば、貴方、まだ赤のクランと懇意にしているのよね？」
「………え？まぁ、吠夢羅のメンバーとは相変わらずだけど。……それが何？」
「あの、草薙という男に伝えてほしいことがあるの。」
「……出雲？」
突然出てきた草薙の名前にドキリと心臓が締め付けられる。動揺した心に気づかれぬよう笑顔を取り繕うと、淡島は特に気にすることなく言葉を続けた。
「………そう。会う度に口説くようなマネをしてないで、と伝えておいて。ああ言う軽口を叩くような男は嫌いなの。」
じゃあ、と後ろ手に手を振りながら去っていく淡島の背中を見送りながら、無意識に胸元をぎゅっと掴んだ。先程の淡島の言葉にバクバクと音を立てては落ち着きのない心臓。別に草薙が本気で淡島を口説いているとは思っていない。普段の店での草薙の様子からも、どのような感じで淡島に言葉かけをしているかも予想できる。
………でも、嫌なんだ。本当はずっと、そんな草薙の女達への優しく、それでいて男を感じさせるような関わりが。今までそんな自分の気持ちに直面化せずにきたが、ここにきて向き合わされてしまった。己の中にある黒く、渦巻いた″嫉妬″という感情に。もう何年も一緒にいるのに、どうしてこんなに余裕がないのだろうと、自分が嫌になった。
＿＿＿その後、
沸き起こってきた気持ちを収めようと、一心不乱に片付けをしながら頭の中を空っぽにしていった。徐々に気持ちが落ち着いてきた俺は、先程から休むことなく吸っている煙草をさらにもう一本火をつけ、深く吸い込んだ。肺から伝わるニコチンが血を巡り、頭を冷静にしてくれる。
手にしたUSBメモリをぎゅっと握りしめ、俺は草薙のいるbarHOMRAへ足を向かわせた。……大丈夫、さっきより落ち着いてきてる。これなら草薙と顔を合わせても問題ないだろう。
barの裏口の取っ手を掴んだ手をそのままに、俺は、ふぅと短く息を吐いた。
ぎっ、と音をたて、店内へと進むと、カウンターに座る十束と目があった。
「お、Aくん！お疲れさま〜。」
「お疲れ。……出雲は？」
カウンターの中にいるはずの存在を探し、十束にたずねると、十束は困ったような笑顔で客席の方を指差した。
「あー……草薙さんは、接客中だよ。」
「＿＿＿っ」
視線の先、女性客2人組と楽し気に笑い合う草薙の姿。仕事だと分かっていても、草薙に向ける女たちの媚びるような笑みに吐き気を催した。
続く (更新停止中)
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お花 - 私はこのお話、設定好きです！続きを楽しみに待ってます!!! (2020年5月21日 23時) (
レス) id: 069fe02916 (このIDを非表示/違反報告)
ライアードール(プロフ) - 続きがはよ見たいです(ﾉｼ 'ω')ﾉｼ ﾊﾞﾝﾊﾞﾝ 応援してますyo!! (2018年7月10日 20時) (レス) id: 0368b34717 (このIDを非表示/違反報告)
来夢(プロフ) - 更新ありがとうございます！！とても嬉しい...；；；； (2017年1月9日 13時) (レス) id: ddbfe0e170 (このIDを非表示/違反報告)
しもふ(プロフ) - とても面白いです。更新楽しみにしてます。((o(´∀｀)o))ﾜｸﾜｸ (2017年1月5日 17時) (レス) id: eb237e3a38 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮尋人(プロフ) - ありがとうございます (2016年11月27日 17時) (レス) id: dac91556fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MAO | 作成日時：2016年11月21日 23時
