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【 草薙出雲side 】
Aには弱点……というか、与えてはならない物がある。
「出雲ぉ………」
今も俺の身体に絡み付くように抱きつくAは蕩けた顔をして甘い声をあげている。恋人の可愛い姿に俺としては願ったりではあるが、この姿にははっきりとした原因があるのだ。
"日本酒"。
それこそが、全ての根元である。
基本的にAは酒には強い方なので酒に飲まれるようなことはないのだが、日本酒だけは昔から体質的に合わないらしい。以前はすぐに寝てしまうだけだったが、何故だか今回は甘く蕩けた姿になってしまった。頭を撫でるだけで愛しそうにすり寄ってくる姿に己の欲が高まっていくのを感じる。……別にその事が悪いことと言っているわけではない。問題なのはこの姿を尊に見られてしまったことだ。
「俺のA……おいない(おいで)？」
Aを自分の膝の上へと導きながら、身体のラインを撫で上げていくと甘い声を漏らすAが俺の首へとすがり付いてくる。どうしようもなく愛しくて、止まらなくなる欲望の波に飲まれながら、俺はこの先待ち受けるであろう困難を頭の片隅へと追いやり、目の前の恋人との情事に意識を集中させた。
＿＿＿＿
店を早終いしたある日。
久々に古参メンバー4人で店の近くの飲み屋で酒を酌み交わしていた。そして、Aが仕事の電話に応えるべく席を外し、それに続くように十束が用を足すべくトイレへと向かった時、今まで静かにしていた尊が口を開いた。
「………は？今、何言うたん？」
俺は尊の言葉に動きを止めてしまう。対峙する周防はというと、煙草を燻らせ何時もと変わらぬ表情を見せている。
「……俺にも寄越せって言ったんだ。……アイツを。」
ここで指しているのは間違いなくAのことだ。今まで尊の想いには薄々気づいていたが、ここまであからさまに出されることはなかった。敢えて言ってくるあたりは半分は本気、半分は確認だろう。
「せやなぁ……それは乗れない相談やねぇ。いくら尊とて冗談でも言うたらあかんで？」
笑顔を崩すことなく真っ直ぐと尊を見つめ、伝えると、暫くの沈黙の時を超え、尊が吹き出した。
「……くっ……くはははっ何マジになってんだテメェは。別に俺のオンナにしようってわけじゃねぇんだ。………時々、身体を貸せってだけだ。」
俺は立ち上がるとそのまま周防の襟元を掴み上げ、その顔めがけ拳を振るった。
「ってぇ……」
「Aは俺のモンや。」
それだけは譲れない。
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お花 - 私はこのお話、設定好きです！続きを楽しみに待ってます!!! (2020年5月21日 23時) (
レス) id: 069fe02916 (このIDを非表示/違反報告)
ライアードール(プロフ) - 続きがはよ見たいです(ﾉｼ 'ω')ﾉｼ ﾊﾞﾝﾊﾞﾝ 応援してますyo!! (2018年7月10日 20時) (レス) id: 0368b34717 (このIDを非表示/違反報告)
来夢(プロフ) - 更新ありがとうございます！！とても嬉しい...；；；； (2017年1月9日 13時) (レス) id: ddbfe0e170 (このIDを非表示/違反報告)
しもふ(プロフ) - とても面白いです。更新楽しみにしてます。((o(´∀｀)o))ﾜｸﾜｸ (2017年1月5日 17時) (レス) id: eb237e3a38 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮尋人(プロフ) - ありがとうございます (2016年11月27日 17時) (レス) id: dac91556fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MAO | 作成日時：2016年11月21日 23時
