放課後、理科室で

15 ページ16

それから、補習最終日になった

今日が終われば、あと1週間ちょっと夏休みが続いて、新学期まで先生に逢えない




慧「はい、始め！」




最後のテストが始まった


問題を解き進めるとともに、補習のおかげか問題が簡単に思えて、きっと満点だろうなって予感した



問題を解き終えてから、油断せずにちゃんと見直して、それから前を向く…





いつだったかと同じ光景…

デジャヴかと思うくらい同じに




先生と目が合った…









ほら、ニコッてするんでしょ




今度は私も同じように返した






テストが終わってから、いつも通り理科室へ行く


先生は相変わらず、同じ席でお弁当を食べていて、もう授業は全て終わったのに
私に何も聞かず、おつかれ、って言ってくれた



A「ねえ、先生、私が満点だったらどーする？」



慧「ふふっ、そんな手ごたえあった？」



A「どうだろ、わかんないけど」









.









慧「何して欲しいの？」





真っ直ぐ私を見つめて言った






そんな言い方…

恥ずかしくなっちゃうな









.







でも









A「先生とデートしたいな」









言うだけ言ってみた



どうせ新学期まで逢えないんだもん




そっけない回答でも、しばらく逢わないから平気







それなのに



慧「うん、いいよ、分かった」




すんなりと、先生は受け入れてくれた





そんな答えじゃなくて

先生っぽい、つまらない返事をされるのかと思ったから


それから何て答えていいのか、言葉に詰まってしまって




ほんとにいいの？

先生の目を見つめたまま、時間が止まってしまった

16→←14

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す