＊なーな＊ ページ9
「……早く出ておいでよ」
辺りに漂う腐敗臭が消えきらぬ間に不意に紡がれたその言葉。
「わかってるんだから、ね？」
優しく語りかけるように紡がれるその言葉に、Aは唾を飲み込んだ。
看護師は去った。
一番の危険だと聞かされたものは既に去ったのに、冷や汗が止まらない。
顎を伝う汗を手で拭い、ちらと杏を見ると、
杏は伏せたままモデルガンにプラスチック弾を詰めていた。
はぁ…と深く息をつき、目を伏せ、一度神経を研ぎ澄ます杏のツインテールが少し下がる。
その向こうになにかが動いた気がしてAは目を見開いたが、何もなかった。
やがて杏が目を開け、微かに「いくよ」と言った。
Aはそれに微かに頷いて目線を前に戻し…
.
.
.
.
「っ！！！？」
「みーつっけた」
目の前にいた“首”はにこりと笑った。
「おねーさん！」
「わわっ、待って、待ってよ」
杏が銃を構えると同時に焦ったように声をあげる“首”。
「落ち着いて話し合おう、ね？」
怪訝な顔で銃から手を離さない杏に更に話し掛ける“首”はこう言った。
「…ごめん、とりあえず…助けてくれない？」
.
.
.
“首”を持ち上げてベッドまで運んでやると、“上半身”が大切そうに受け取った。
「いやー、ありがとうありがとう」
“首”がにこにこと笑いながら感謝を述べた。
「いつまでたっても返事がないから心配になっちゃってさぁ。
ちょっと見るつもりが落ちちゃって」
困ったようにそう言いながら“首”を持ち上げ、“上半身”につけるその動作は自然だった。
それをAは複雑そうに見ていた。
一方杏はというと、何やら考え込んだ様子で眉間に皺を寄せていた。
「杏ちゃん？」
「………ん？何、おねーさん」
少し苛立ったように返事をした杏にAは少し違和感を覚えたが、黙っておく事にした。
のだが。
「いやあ、でも久しぶりだね、杏ちゃん」
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海葉(プロフ) - るめさん» ありがとうございます！ 頑張ります！(^ω^Ξ^ω^) (2015年7月8日 21時) (
レス) id: 3051c06970 (このIDを非表示/違反報告)
るめ - こういう系大好きですっ！ 更新頑張ってください！！！ (2015年7月5日 20時) (レス) id: 4da09b781e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茶黒猫 | 作成日時：2015年5月21日 20時
