＊よーん＊ ページ6
パン、パンッという凄まじい破裂音。
その凄まじさに思わず目を瞑るA。
そして、数分の沈黙。
それを破ったのは…
「…大丈夫？」
相手だった。
「……っ、」
恐怖で動けずに、目を瞑ったままうつむくAにそっと近づく気配。
それにまた身を縮こまらせたA。
「ちょっ、ちょっと。
そんなに怯えなくても…」
手を差し出す相手。
「ひっ、やだ、触らないで…」
それを一歩。後退してしまったAは少しの後悔を孕みながらもうっすらと目を開いた。
「わっ」
目の前にいたのはツインテールの少女だった。
白いマフラーに黒いセーラー服とハイソックスに革のローファーときたその少女の手には、
その格好には似合わない物が握られていた。
拳銃だ。
ｰ･･･まさかこれで、私を葬り去るつもりじゃ…！！
嫌な予感が頭をよぎる。
そもそもこの少女が人間かどうかさえわからないｰ･･･
知らず知らずのうちに相手を睨み付けていたA。
そんなAに少女は手を伸ばし…
「温かいでしょう？」
両頬をはさんだ。
頬から伝わる体温に、少し安心する。
少女はよく見てみれば、健康な肌の色をしていた。
「私は橋本杏。貴女は？」
「本庄A…」
「A、ね。私の事は気軽に杏でいいから」
人懐っこい笑みを浮かべながら再度差し出された手を握り、立たせて貰う。
「わっ、埃だらけ…。 って、珍しいズボンだね」
「バスパン？ あぁ、えっと…バスケするときにはくズボンの事」
“バスパン”と言う単語に首をかしげた少女に、適当な説明を加えながら埃をはらう。
まぁ、バスケに馴染みのない人ならば言われてもわからないんだろうな、と思いながら。
「…ふーん…バスケ、ね」
暫く眺めて飽きたのか、手中にある拳銃を撫でる少女。
その見慣れない物体に、Aは目を細めた。
やがて少女はそれに気がついたのか。
「…………ばーん……なんちゃって」
銃口だけをこちらに向けてきた。
「…それ、本物？」
「なわけないじゃない。モデルガンだよ、モ デ ル ガ ン ！」
証拠にほら、とプラスチック製の弾を投げて寄越す少女は、イタズラっぽくニヤニヤとしていて。
「これが悪霊退治には欠かせなくて。
ヒトに害はないし、安心していいよ。
だからさ、一緒に行こ」
提案してくる少女。
いくら武器があろうとも、確かに精神的にはクるものがある。
だから。
少女の提案を、Aはすんなりと受けたのだった。
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海葉(プロフ) - るめさん» ありがとうございます！ 頑張ります！(^ω^Ξ^ω^) (2015年7月8日 21時) (
レス) id: 3051c06970 (このIDを非表示/違反報告)
るめ - こういう系大好きですっ！ 更新頑張ってください！！！ (2015年7月5日 20時) (レス) id: 4da09b781e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茶黒猫 | 作成日時：2015年5月21日 20時
