ＢＭ plus１ [２]

(episode.78) 平松Side ページ29

 

A｢んーっ、今日も暑いね･･･｣

平松｢そうだねー｣

レンズ越しにAちゃんを覗きながら喋る、
少し遠くに写るその姿はすっごく綺麗で･･･。

写真が撮りに行きたいって言えばすぐOKをしてくれて、本当はデートに誘いたかったけど恥ずかしくて言えなかった･･･。


だけど、このカメラに写った一瞬は俺だけのもの。


A｢どんな感じ？ いいの撮れたかな？｣

平松｢んー、ちょっと待ってね見てみるから｣

A｢あ、私も見たい！｣

駆け寄って来るAちゃんは俺より年上で、優しくって。

平松｢お、コレとかいいかもー！ ほら、見て！｣

A｢ん？ どれどれーっ？･･････何か恥ずかしいね｣

平松｢え？ なんで？｣

A｢撮ってもらった自分を見る･･･って恥ずかしくない？｣

平松｢そうかな？ でも凄く綺麗だよ｣

A｢あれー？ 何だか今日は大人ですねー？よしよし可愛いなー｣

平松｢あーあー、髪の毛グチャグチャになったじゃーん｣

頑張って背伸びをしてみても対等にはなれなくて、
弟みたいにみられてるのかな･･･。

A｢あははっ、ごめんごめん！ ほら、直してあげる｣

平松｢うん、ちゃんとしてよー？｣

A｢はいはいっ｣

だけどこうやってお世話してくれるのは１１人のなかで俺だけで、一番近くに居れてる気がする。

A｢はい、綺麗になったよ！｣

平松｢ありがとう！ よし、今度ははあっちで撮ろ！｣

A｢あ、賢人君ちょっと待ってよ｣


その声に立ち止まり、無邪気に追いかけてくるAちゃんにカメラを向ける。


･･･みんなに写真の事は秘密なんだ、
きっと、寄越せって言われちゃうからね。

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