最年長組。３【桃】

空白　さとみside ページ35

らぎが事故に遭ってから早1ヶ月。今日は2月24日、俺の誕生日だ。でも、晴れた気分にはなれず、今日も病院に来ている。


さとみ 「らぎ、今日は俺の誕生日なんだ。28歳。らぎももう少しすれば28歳。」


返答はない。息もしているのにどうしてらぎだけは起きないんだろう。


さとみ 「来年の誕生日くらいは一緒にデートとか行こうな。」


話しかけても話しかけても返答がなく、悲しくなり、涙がこぼれそうになる。


さとみ 「この空白の1ヶ月。起きてから埋めような。デートしたり、ゲームしたりさ。」


ひいらぎ「…そうだね。さとみ。」


さとみ 「らぎ！？」


そこには眠っているらぎしかおらず幻聴だと理解する。


ななもり「さとみくん。」


さとみ 「あ、なーくん…。」


ななもり「一回寝よう？もうずいぶん寝てないでしょ？らぎちゃんも心配するよ！？」


なーくんに怒られた。


さとみ 「わ、わかった。」


ななもり「らぎちゃん、起きたら連絡するね。」


俺は一旦家に戻った。

公表　ななもり。side→←絶望　ななもり。side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す