え？俺が副船長？冗談でしょ？劇場版【ONE PIECE】 (ページ9)

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老婆「そうじゃ！宝じゃ！」

いきなり老婆がパンッ！と両手を打った。

ナミ「宝♡？」

「反応はやっ！」

脊髄反射で、ナミが瞳にハートマークを浮かべて老婆を見て、その反応の速さにAは驚く。

老婆「そうじゃ、宝じゃあ……取引ということでどうかのう……？わしを助けてくれたら、お礼に宝物をやる。だ、だから命ばかりは……」

ナミ「…………」

老婆「のぉ？悪い話じゃ……」

老婆の言葉に、しかしナミは、すぐに落ち着きを取りもどして切り返した。

ナミ「もっと具体的にいって」

老婆「へ？」

ナミ「ど～もうさんくさいのよね……なに？その、いきなりとってつけたような思いだしかた……助かるためにデタラメいってんじゃないの？」

チョッパー「あのナミが……宝の話に冷静だ……」

チョッパーが素で驚いていた。

ルフィ「サンジ……おまえ、ナミに変なものでも食わせた……うぎゃぁ！」

ルフィがコックのサンジにいいかけたところで、強烈なナミの蹴りがルフィを襲った。ゴムの顔が変形するほど蹴られたルフィは沈黙させられた。

ナミ「わたしたちが海賊だってわかっているわよねェ、あ婆さん？そのうえでダマし入れたらどうなるか……あまり語らせないでよねェ？」

老婆「ひっ……！」

かっと目を見開いたナミは、老婆を迫力で圧倒した。

ウソップ「取引どころの話じゃなくなってる……」

ゾロ「なァ……この船の恐怖の"もと"は、おれなんかじゃねェだろ？」

ウソップの肩をつかんで、ゾロが小さくつぶやいた。

老婆「ほ、ほんとうじゃとも！うそなんかでわない！本物の宝じゃ！わしの島に代々伝わっている"伝説の『金の冠』"じゃあ！」

まさに宝箱にもどされて海に落とされる瀬戸際で、老婆は懸命になってナミに訴えた。

ナミ「『金の冠』……？」

老婆「そうじゃ……海の王様だけがかぶることができるといわれる、『金の冠』じゃ……わしは現物は見たことはないんじゃが。その価値たるや金額にはできんほど……！」

老婆は彼女の島に伝わるという宝物のことを、真に迫ったようすで語った。

ナミ「うそくさあぁぁ…」

２秒でダメ出し。
これにはゾロとサンジとウソップも「まったくだ」と同意し、Aは苦笑いした。まさに彼らがこれまでの航路で何度となくなくひっかかってきた、冒険者わ惑わせる作り話のたぐい…だいたい写真でもあるならともかく、老婆が見たことさえない『金の冠』の話など信じられるものか。