え？俺が副船長？冗談でしょ？劇場版【ONE PIECE】 (ページ8)

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ところが老婆は＜ゴーイング・メリー号＞の帆のドクロマークを見るなり、

老婆「ええっ！この船も海賊船かぇ？」

ウ・ル「話がつながってねェ……！」

ウソップが警戒しながら老婆を指さした。

ウソップ「何者だ？なんで婆さんが宝箱に入ってんだよ？」

すると海賊たちに囲まれた老婆は、おろおろしながら事情を話はじめた。

老婆「たたた、旅の途中で、かかか、海賊に捕まって……そそそ、そしたら、船が沈みそうになったんで、こここ……」

ナミ「この箱のなかに隠れたってわけね」

ナミが尋ねると、老婆はたどたどしく頷いた。

ナミ「中に入ってた宝は？」

老婆「あ、外に出したから、たぶん波に……」

老婆の答えに、ナミは気が遠くなって手を頭にあてた。
どうやら老婆は、あの難破船の海賊たちに捕まっていたらしい。そして老婆の言葉を信じれば、宝箱の宝は嵐にさらわれて、とっくに海の藻屑だ。

ナミ「はい、全員集合！」

ナミの号令で老婆から離れた場所に集まり、ひそひそと話しあいがはじまった。

ナミ「どうする？あのお婆ちゃん」

サンジ「どうするもこうするも、ナミさん……」

ウソップ「しかたねェ、近くの島まで送り届けてやるか？」

ウソップが息をついた。

ゾロ「ったく、めんどくせ～な……また、あのなかでいいだろ」

ゾロが宝箱に目をやった。

ルフィ「オレとかAはタルに乗って助かったことあるぞ！」

「懐かしいなァ……」

ロビン「あのお婆さん案外タフそうだものね」

Aは遠い目をし、ルフィとロビンが、なにげにゾロに同意しかけたところで

老婆「許してけろーーーーー！」

チョッパー「ひぃーーーーー！？」

海賊たちの背後に忍び寄っていた老婆の叫び声に驚き、怖がり屋のチョッパーが飛び上がった。

老婆「わしを殺して海に捨てる相談じゃなあ？」

チョッパー「な、なんでそういうことに……」

老婆「いいや、それ以上いわんでよろし！あーなんたる運命！せっかく助かったと思いきや、またも凶悪な海賊の手にかかってしまうとは……」

老婆は抑えていた恐怖心が爆発したように、錯乱した。ルフィたちがなにをいっても、泣き暮れるばかりで話が通じない。

ナミ「だめね……私たちの声が届かないところに行っちゃってる」

ロビン「恐怖のあまり、ね」

ナミとロビンが息をついた。

ルフィ「ゾロの顔のせいか」

ウソップが剣士の強面を見ると、ゾロは「なんでだよ」と、ますます怖い顔をした。