え？俺が副船長？冗談でしょ？劇場版【ONE PIECE】 (ページ7)

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サンジ「毎度のこだが……よくもまぁ命があるよな、おれたち」

ナミ「運がいいんだか悪いんだか……」

嵐をきりぬけた＜ゴーイング・メリー号＞の甲板で、命の洗濯のような一服を味わっているサンジと苦笑いしているAのひと言が、＜麦わら一味＞の仲間たちの気持ちを語っていた。燃えるボーごと空を飛んで船に激突するようなことは、これまでにもたびたび経験してはいたが。

ルフィ「それよりかさ、宝箱だよ宝箱！」

ナミ「ウソップ、早く早く！」

「なんか忘れてるような……」

ボソリと呟くAとルフィとチョッパーが甲板の宝箱を囲んだ。宝箱の前ではウソップが、鍵穴にハリガネを差しこんで開けようとしている。

ウソップ「そう急かすなって……このタイプは初めてだけど……」

ナミ「わたしがやろうか？」

元泥棒のナミがいったが、ウソップは「待ってろって」とやんわり拒否して、持ち前の器用さで宝箱を攻略していった。
ほどなく──カチッと鍵のはずれる至福の音がした。
ナミが「きゃぁっ♡」と歓声を上げた。

ウソップ「さてさてみなの衆、心の準備はいいかなァ？」

勿体をつけると、ウソップは仲間が注目するのを確認し、いよいよ宝箱の蓋を開けた。

ウソップ「ジャジャーン！ごたいめ～ん……」

はたして宝箱のなかには──

麦わら一同「…………」

一同、目が点。
宝箱のなかには、紫色の毛のようなものが、ぎっしりと詰まっていた。
これはなんだ？宝箱を保護するクッションかと、一縷の望みをたくしてウソップが毛をつかんでひっぱり上げると──なんと、宝箱の中身は瓶の栓のようにすぽんと抜けて、

？「ハ……ハ～イ……」

金の──総入れ歯がしゃべった。

宝箱に入っていたのは、しわくしゃの老婆だった。
つまり上から見えていたのは老婆の、やたらにボリュームのある紫色に染めた髪。そして宝箱には、このおしろいをぬりたくった派手な着物の老婆以外、なにも入ってはいない。

ウソップ「！！！」

ちっちゃくてキュートな老婆と衝撃のご対面を果たしたウソップは、次の瞬間、動転のあまり老婆を宝箱に詰めもどした。そのまま宝箱をロープでぐるぐる巻きにすると、海に叩き落とそうとする。

老婆「わぁー！待ちなさい待ちなさい！わしの話も聞きなさーーーーい！」

宝箱のなかから、くぐもった悲鳴が響いた。

ルフィ「──なんで宝箱のなかに入ってたんだよ、婆さん！」

ルフィがいった。