え？俺が副船長？冗談でしょ？劇場版【ONE PIECE】 (ページ4)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:9,248 hit

２ページ4

嵐のうみだった。

ひき裂くような暴風のなか、７人と１頭を乗せたランチボートが木の葉のように波にもまれていた。ボートを覆っていた天幕がふき飛ばされたのだ。ボートのむこうでは、難破船が波に叩きつけられている。つまり彼らは、難破船で首尾よく宝箱を発見して撤収する舞っ最中だ。

ロビン「見て……メリー号が随分流されてる」

ロビンの視線の遥か遠くに、彼らの母船＜ゴーイング・メリー号＞があった。

ルフィ「なんで、そんなことになってんだよ！」

船長のルフィが憤慨すると、

ナミ「アンタのせいだ！」

間髪入れずにナミがツッコミを入れた。留守番役だったはずのルフィまで、あとを追って難破船に乗り込んできたしまったことが、間違いのはじまりではないか。

ロビン「あの難破船……もぬけのからだったけど、海賊船だったわね」

ゾロ「おおかたサイクロンにでもやられたのか……」

ロビンとゾロが破れた海賊旗を掲げた難破船を見やった。

ルフィ「おいナミ！はやくしねェとメリー号が！」

ナミ「あわてなくても平気。ちゃんと追いつく……」

ナミがルフィに答えたとき、彼女の視界の隅になにかが映った。
ルフィも、ウソップも、サンジも、チョッパーも、ロビンも、Aも、全員が緑髪の剣士の後ろを注目した。

ゾロ「ん？どした」

ゾロがいぶかしげに仲間を見返したとき、後ろから焦げくさあ臭いがしてきた。

ゾロ「おを！？」

「熱ィ」と叫んだゾロが仰天の表情で飛び上がった。強風で倒れたランタンが船底に引火したのだ。油がこぼれて火はたちまちボートに燃え広がった。

ウソップ「うわ、バカゾロ！暴れるな！火がまわる！」

ナミ「きゃーーーー！」

チョッパー「ゾロに火がついてるぞ！」

ルフィ「焼きマリモだ！」

ゾロ「てめー！」

「ゾロ落ち着け！」

ロビン「とりあえず、どうしようかしら」

サンジ「クールなロビンちゃんに燃えるような愛を！」

ナミ「バカ！」

てんやわんやの大騒ぎになったランチボートの上で、ルフィは拳を握りしめた。