第19話の松 ページ25
side追華
ほんっとーにキツい。全く懐に入り込む余裕がない……かと言って、核を触りに行こうにも的確に邪魔をしてくる……しかも、氷の壁が幾重にも重なるからそれを破壊しないと無理……
『ッチィ……腕力解除……』
それに加えて、腕力の方はもうキャパオーバー寸前だった。ちょっと腕が痛いけど……ここからは瞬発力でどうにかするしかないんだよなぁ……追加で瞬発力を増加？いや、それでもかなりキツい……けど、やるっきゃないのか……？
『瞬発力、30％追加……90％ブースト…………』
轟が190％の俺の瞬発力を見極めるなら……それこそキツい。
轟「っ……！」
もう仕掛けてくる……？！追加が間に合わねぇ……！
オールマイト「今回は文句なしに轟少年がMVPだね。松野少年はもう少し仲間と動く意識を強く持ったほうがいいかもしれないね？」
『……はい』
結果から言うと、僕は負けた。少しだけ避け損ねてしまったんだ。足の動きを阻害されそのままタイムアップ……仲間との連携行動、かぁ……まだ、信じれないのにどうして連携しろって……言うんだよ。オールマイト……
授業も終わって、放課後……普通ならすぐ帰るつもりだったんだが……
八百万「すみません、少しお時間宜しいでしょうか？」
『……何？』
八百万に声をかけられた……正直、すぐにでも帰りたいんだけど……
八百万「実は、この物質を創ろうと思っているのですが、分子構造の考察が甘いのか、上手くできないのです。良ければお手伝いいただけないですか？」
『……何で僕？』
八百万「今回の戦闘訓練でまだまだであることを大変痛感致しましたの。そして、松野さんの動きを目の当たりにして、これからもっと様々な種類を創らねばと思ったのです。それで、松野さんは本日の化学式の授業において素晴らしい知識をお持ちでしたので、良ければ共にご考察いただけないかと……」
『……悪いけど、そんな気分じゃないんだ。それに、買いかぶりすぎだよ』
八百万「いえ、松野さんの事は正当に評価しておりますわ。では、また後日お願いできますか？」
『……まぁ、気が向いたらね』
そう言って僕は足早に教室を後にした。なんか後ろで聞こえるけど……まだ、馴染めそうにない……
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作者名：キラ | 作成日時：2017年9月21日 16時
