【HQ】プリン系女子は動じない。3

ぬいぐるみ ページ38

ゲームセンターにつくと、真っ先に目が惹かれたのは、大きなぬいぐるみのはいったUFOキャッチャー。



50cmくらいの三毛猫のぬいぐるみ。


「これ、可愛い…」


夢中で見ていると、灰羽がコインを入れてゲームスタートした。


軽快なBGM、タン、タン、と灰羽は迷いなく止める。


灰羽はすごくドヤ顔。

おぉ…と思って見ていたけど、掴んだものの
アームからするりと抜けてしまった。


灰羽は首を傾げていた。


「アーム弱いね。」



灰羽「取れたと思ったのにー！！」


悔しそうにガラスに張り付く灰羽を引っ張って他のゲームも見る。


結構広いゲームセンターで、目移りしてしまう。


そのうち、はぐれてしまった。



灰羽は身長が高いから多分すぐ見つかるかな、、


とりあえずその辺りを見回していると、オシャレなブレスレットのUFOキャッチャー。


革製のブレスレットに、深い翠のストーンがついているメンズのブレスレット。



配置も取れやすそうだったので挑戦してみる。



百円硬貨を投入してゲームスタート。


距離を目測で合わせてアームを降ろす。


アームはしっかりと掴み、落とし口まで景品を運んだ。


案外簡単に取れるもんだな、取り出し口から景品を取ってそう思った。


早速腕に付けるけど、あんまりぶかぶかで落としそうなので外す。


お兄ちゃんにあげよう。


鞄にしまって灰羽を探す。


すると、何人かの歓声が聴こえる。


……なんだろ。


気になって声のする方へ行くと、大きな三毛猫のぬいぐるみの台だった。


誰かが取った見たいだ。


どんな人か見ようとすると、それは灰羽だった。


人ごみから頭が出て嬉しそうに笑うのは見間違うことのない灰羽だ。



そしてこっちに気付くと、手に持ったぬいぐるみを私に持たせた。


灰羽「今度はとれた！どーだ！えっへん！」


得意げに笑う灰羽。


わざわざとってくれたの…？


嬉しくてぬいぐるみに顔を埋める。


ふと、思い出して鞄にしまったブレスレットを取り出して灰羽の手首に付ける。


「それあげる、お礼…っていうか、簡単に取れたし。」


灰羽の白い肌、細い手首によく映える。


「うん、やっぱり似合う。」


翠のストーンも灰羽の瞳と一緒。


灰羽「そうか？ありがとな！A」


「このぬいぐるみに比べたら対したことないと思うけど…」


灰羽「いや、本当に嬉しい、毎日付ける！」


「……部活では付けちゃダメだよ。」

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