地声 ページ25
聞いていられなくてフラフラと離れる。
と言っても行く当てもなく。
適当な物影に1人座り込む。
もし、2人が付き合ったら……
いろいろと考えてしまう。
……寧ろその方がいいのかもしれない。
いろいろ考えた中に出てきたこと。
私なんかよりも若葉の方が灰羽とつりあう。
きっとそうだ、とその考えに至ってしまう。
私の中でどろどろと何かが溶けて蒸発して胸が空くような気持ち。
おさげをいじくりまわしながらぼーっとしていた。
すると急に衝撃が走った。
軽い音、痛みはない後頭部。
ゆっくり振り返るとそこには若葉がいた。
若葉「……何やってんの。」
いつもの若葉の明るい声と笑顔はなく、少し雰囲気が違って見える。
若葉「なに?そんなにジロジロみないでよ。」
訝しげな目線をさしながらなぜか隣に腰掛ける。
「え、いやなんか…いつもより声が低いなーって。」
思っていたことをぽろっと口に出すと、少し睨まれる。
若葉「地声だよ、地声。あんなぶりぶりした声なんてずっと出してらんないし。ばーか。」
「ご、ごめん。」
キツイ性格な若葉、きっとこれが本性なのかな。
……これまでもチラチラと片鱗を見ていたような気はする。
怒らせたくはないので黙っていると若葉が口を開いた。
若葉「ねぇ、なんか喋れよ。」
ま じ で す か
この若葉キツイ…ほんとキッツイ。
無言が気まずいなら戻ってよ…
と思っていると自分の爪を少しいじりながらポツリと話出した。
若葉「聞きたいこと、あるんじゃないの。」
「へ?」
若葉「さっき、聞いてたんでしょ。」
ギクリと肩を許す。
なんとなく嘘がつけなかったので誤魔化さずに伝える。
「告白、してるとこ、聞きました…」
若葉「それだけ?」
「え、うん。返事とかは聞いてない、けど…
やっぱり付き合ったの…?」
少し間を置いてから恐る恐る尋ねる。
若葉は少し眉間にシワを寄せて答えた。
若葉「振られた。」
「え…そうなんだ…ごめん。」
若葉「同情すんな、ウザい!」
「…っぁ、ごめん…」
若葉「あー…もー!そーゆー傷付いたような顔もすんなよ!謝ってばっかでこっちがイライラするよ、別にあんた悪くないし!」
声を荒げ立ち上がる若葉にびっくりする。
「え…そうなの…?」
若葉「……元から、別に本気じゃなかったし。」
若葉はまたすわりこんでゆっくりと話し始めた。
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水無月のぞみ - ウチとしてはオチは研磨か赤葦あたりがよかった! (12月12日 21時) (レス) id: ba8b16685c (このIDを非表示/違反報告)
T_T - ふーん…オチはリエーフかぁうちてきには、黒とか菅さんがよかったなー (2018年10月8日 23時) (レス) id: 6cd51c2a27 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆん@いい意味で変な人(プロフ) - いい話ですね!更新待ってます! (2018年9月6日 22時) (レス) id: 5e14b4ed68 (このIDを非表示/違反報告)
桜ピエロ - ☆神雲☆さん» ありがとうございます!頑張ります! (2018年1月3日 8時) (レス) id: 8fe0d35ca0 (このIDを非表示/違反報告)
☆神雲☆ - リエーフ可愛い!!とても面白いです!!更新頑張って下さいね☆ (2017年11月23日 19時) (レス) id: 31a5141faf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜ピエロ | 作成日時:2017年9月8日 20時