体温 ページ22
何処に向かうわけでもなく、ただ逃げるように走っていた。
目の前は真っ暗でなにも見えていない。
耳元で嫌な笑い声が聞こえて止まない。
耳を塞いでただ足掻くように。
「大丈夫か？A」
誰かにぶつかった感触。
私の名前を呼ぶ優しい声に笑い声が止む。
温かい体温だけが感じられる。
耳を塞いでいた手をおろす。
大きな手が私の髪を撫でる。
「あ……くろお、せんぱ、い…」
開けた視界には心配した顔の黒尾先輩。
私の体から緊張が解けてその場に座り込む。
黒尾先輩も私に目線を合わせるように腰を降ろした。
すぐに黒尾先輩の顔が歪む。
ポツリとてのひらに水滴が落ちる。
安心して涙を流している。
情けない、涙が止まらない。
黒尾「どうした？俺に安心したのかー？」
ちょっとニヤついたいつもの黒尾先輩。
けど私に触れる手は温かくて強張っていた体も溶かされる。
「…はい。」
黒尾先輩の手をギュと握りしめて、肩に寄りかかった。
黒尾先輩に触れているところからじんわりと熱が伝わってくるようだった。
「…もう少し、もう少しだけ……
このままでもいいですか…」
今はただ、この熱を感じていたかった。
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水無月のぞみ - ウチとしてはオチは研磨か赤葦あたりがよかった！ (12月12日 21時) (
レス) id: ba8b16685c (このIDを非表示/違反報告)
T_T - ふーん…オチはリエーフかぁうちてきには、黒とか菅さんがよかったなー (2018年10月8日 23時) (レス) id: 6cd51c2a27 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆん@いい意味で変な人(プロフ) - いい話ですね！更新待ってます！ (2018年9月6日 22時) (レス) id: 5e14b4ed68 (このIDを非表示/違反報告)
桜ピエロ - ☆神雲☆さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2018年1月3日 8時) (レス) id: 8fe0d35ca0 (このIDを非表示/違反報告)
☆神雲☆ - リエーフ可愛い！！とても面白いです！！更新頑張って下さいね☆ (2017年11月23日 19時) (レス) id: 31a5141faf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜ピエロ | 作成日時：2017年9月8日 20時
