親戚が推しだなんて聴いてない【うらたぬき】

19話 ページ21

坂田side


『はぁ…』





「何やAちゃん。ため息ついとると幸せ逃げるで〜？」




俺がそう言うと、Aちゃんは潤んだ瞳でこちらを見た。




可愛ええなぁ。





「どうしたん？怖い夢でも見たんか？」




『そんな幼稚じゃないですから！？実は……』





深刻そうに目を伏せた次の瞬間。




『好きな人のライブが決まったんですけど……』





そこから先は言いたくないようで、モジモジしている。




「怖くて行けないって事？」




コクっと頷いたAちゃん。





『ずっと行きたかったのを我慢してたら……ストレスでなのか全然勉強が出来なくて…』





あらら。





それは宜しくないな。







「なら、俺と一緒に行こか！」




『良いんですか！？』




明らかにテンションが上がったな。





それで断るやつおったら最低やろ。





「うん！なんて名前の歌手さんなん？」





『浦島坂田船です！』








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「ゴメン。俺、耳悪うなってしもうたみたいやからハッキリもういっぺん言ってくれる？」







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『浦島坂田船です！』

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