ムラサキ__《N.Ren》 (ページ19)

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ムラサキ__19 ページ19

「おっ……い何すんだよ………」

神宮寺は首元を掴まれて苦しそうに声を上げた。
俺は手を緩められなかった。

「お前みたいなカスが、Aを泣かせてんじゃねぇよ！」

Aはいつだって神宮寺を大切にしていた。
どんなに傷つけられても、笑顔で横にいた。
本当の自分を押し込めてでも、強く、
真っ直ぐ神宮寺と向き合っていたのに。

それなのに、それなのに
こいつは、こいつは………！！

怒りの余り、俺は怒声を浴びせた。

「…はっな…せよ…！！！！！」

神宮寺が俺の手を引き剥がした。

「…っはぁ…はぁ……お前まじでふざけんなよ……」

息を切らしながら俺を睨みつける神宮寺。

「ふざけてんのはどっちだよ。お前の浮気相手の女も、Aに同じことしてたぞ？」

俺は引き下がらなかった。
あの日のAの苦しみを考えれば、こいつの今の苦しさなんか一瞬だ。

「……そんなにAに惚れてるとはな、お前も物好きだわ」

なおも態度を変えない神宮寺。

「っは、言ってろや。すぐにお前から奪ったるわ」

俺がそう言うと、神宮寺は急に真顔になって

「………やってみろよ。」

そう吐き捨てて、屋上を出ていった。

心臓がバクバクしている。
なんやねん、あいつ。
あんな悪く言うくせに、
くれてやる、とかは言わんのんかい。

意図せず宣戦布告となってしまったが、
俺のAを好きという気持ちは、
昨日よりも確実に、急速に走り出していた。

「…絶対渡さねえよ」

神宮寺が扉の向こうで、
そう言っていたとも知らずに。

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相変わらず最初の方低評価付いて
星の数字は低いですが、、笑

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