ムラサキ__《N.Ren》 (ページ27)

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ムラサキ__27 ページ27

「そっ……か、なら、よかったな」

俺は、何とかそう言葉を返した。
正直、いっぱいいっぱいだったと思う。

連絡が来なくなって薄々勘づいていたのに
いざ、こう直接言われると

辛くて、悲しくて、寂しくて。

暗い感情が俺の中でせめぎ合って、溢れそうになる。

「じゃあ…俺の慰め役も、もう終わりになるんかな」

自分の首を自分でしめにいってしまう。
言われる前に、自分で終わらせにいったほうが
楽なんじゃないかって。

俺の言葉に、Aは
そっと、目を伏せた。

「……なんか、そう言われると寂しいかも」

ポツリ、と呟くA。

「せっかく仲良くなれたのに終わりみたいな言い方は、ちょっと嫌だなあ」

そう言って、俺の目を見て

「こうして今も話せて嬉しいし、、、あの時間が無くなっちゃうの、…私は素直に寂しい」

笑って、でもちょっと悲しそうな顔で
そう言った。

なんで、なんでだよ。

なんでそんなに、
寂しいって、言ってくるんだよ。

そんな突然寂しさを見せつけられても、
Aと神宮寺の姿を思い出してしまって、

俺は、Aを抱きしめることすら出来ない。

「……俺だって…」

寂しいし、会いたいし、
ずっとAと居たいよ。

でも、続きは言葉にはならなくて。できなくて。

「…大丈夫やって」

俺はAの目を見て言った。

「俺らはずっと友達や、またいつでも話そうや」

そうやって、当たり障りのない返しをしてしまう。
未熟な俺には、これが精一杯だった。

「…そうだね、うん！また話そう！」

Aは、笑ってそう言った。
その笑顔が心からの笑顔だったのか、
作り笑いだったのか、
俺には見分ける余裕も無かった。

俺たちは、夕日が差し込む教室で、友情を誓った。

そして、そんな俺らを
神宮寺が教室の外から見ていたとも知らずに。