ムラサキ__《N.Ren》 (ページ13)

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ムラサキ__13 ページ13

「…………落ち着いたか？」

しばらくの間Aは泣きじゃくっていた。
Aが俺の胸から顔をあげた。

「……うん……ほんとに……ごめんね永瀬くん」

「別にええって、気にしやんといて」

ふぅ、と息を吐くA。

「なんか、永瀬くんと居る時いっつも私泣いてる……」

「ほんまや、俺は慰め要員か！！」

俺のツッコミに、Aは笑った。

「…なんか、永瀬くんと話してると感情が忙しいや」

「泣いたり笑ったりしてな、普段のお前は作り笑いばっかしてるし」

俺の指摘に、Aはハッとした顔をする。

「そっか……そうかも。久しぶりにこんなに自分の感情に素直になれた気がする」

その言葉を聞いて、俺はなんだか嬉しくなってしまった。
Aの素顔に少し近づけたんじゃないかって。

「…なあ、良かったら連絡先教えてや。」

「え、いいけど……なんで？」

「また辛いことあったら俺に連絡しい。ここで集まって吐き出したらええやん」

俺は少し浮かれてしまっていて、
お節介なことを提案してしまった。

「な、なるほど……え、いいの？」

「任せとき。俺、Aの作り笑い好きじゃないし」

「ええ〜〜…そんなに言う？？」

こうして俺たちは連絡先を交換して、メッセージをやり取りするようになった。

また1歩、君が近くなったような気がした。

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