第百十話 戦争開始 ページ2
A 「……おはようございます」
村本 『おはよう。急げ』
誰にも起こされず、自然と目が覚めた。
少し冷たい朝の風が頬を掠める。
私はすぐに身支度を済ませ、髪を結わえ、頬を叩いて気合いを入れた。
今日は、決戦だ。
階段を駆け下り、誰もいない酒場を走って外へ出る。
扉を開けた先の光景は、いつもの街ではなく、草一つ生えていない荒野が広がっていた。
浅越さんが昨夜の間に、酒場ごと私達を戦場へと転送したのだ。
九馬 「…揃いました。今回の戦いの作戦を伝えますね」
小高い山に集まった芸人達の先頭に、九馬さんが立っていた。
その隣には従者のように浅越さんとヤナギブソンさんが控えている。
浅越さんが巨大な戦場の地図を宙に浮かべ、説明を始めた。
浅越 「今回の敵はほぼ全てが人型モンスターでしょう。
なので、人型モンスターに接触したことのある面々が多いマンゲキメンバーに、６MCを中心に“最前線で”戦ってもらいます。
それ以外の方は、なるべく仲間の守備に回って下さい」
九馬 「１つずつ配布する九馬人形から、もっと細かい作戦は伝えますね」
私は最前線で戦えと言われていたから、マンゲキメンバー？さん達と一緒に戦えばいいのかな。
空間魔法で瞬時に配られた九馬人形をじっと見ながら、私は最前線という言葉を重く受け止めていた。
…勝たないと。
九馬 「…勝って、必ず元の世界へと帰りましょう」
浅越 「転送します」
浅越さんが手を掲げ、マンゲキメンバーの足元へ空間魔法を広げる。
私の足元も同様だった。
…戦場の真ん前に突き出されるのだ。
正直、怖い。
それでも、私には強い仲間がいるから。
浅越 「…御武運を」
視界が真っ白に染まり、体が浮遊感に包まれる。
次に気が付いたとき、私は沢山の芸人さん達と荒野で立ち尽くしていた。
目の前に、人型モンスターはいない。
石井 「…お前も前線か」
A 「はい」
新山 「頑張ろうな」
皆川 「強い気持ちで、な？」
さや香の石井さんと新山さんが、緊張した面持ちで私に声をかける。
その後ろに、ネイビーズアフロ皆川さんがいた。
新山さんは皆川さんに近づき、深く息を吸い、最大限の罵倒を浴びせる。
新山 「死ね！」
皆川 「何でそんな急に！？」
新山 「…これが最後かもしれないんで」
皆川 「っ…！意地でも、死なんから！」
九馬人形が跳ねる。
…モンスター対芸人達の、全面戦争開始の合図だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
AKUTObymmk(プロフ) - ありがとうございます!!私もこれから、頑張ります笑リクエストございましたら、言ってください！本当にお疲れ様でした (2019年2月24日 10時) (
レス) id: 4990bace53 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - ありがとうございます！書き始めたばかりの頃、貴方様のリクエストがとても励みになりました！完結できたのもそのおかげです！ 小説、拝見いたしました！AKUTObymmkさんも頑張ってください！応援しています！ (2019年2月23日 23時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
AKUTObymmk(プロフ) - お疲れ様でした!!私も今小説書いてるんですけど、大変ですよね笑笑本当に、完結おめでとうございます!! (2019年2月23日 22時) (レス) id: 4990bace53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：フール | 作成日時：2019年2月18日 0時
