■ ページ19
謙杜「Aが、学校休みがちになったときです。
今までは休む頻度月一くらいやったのに、その頃から週一くらいになって、って。
分かっていながらなんもやってあげれへんかったんです。
ノートAに見せる約束やったのに自分の都合の良い書き方を変えようとせんかったし、そのときの俺はAはどうせ勉強しても無駄なだけやんって思ってて。
俺は、無駄な勉強をするくらいならちゃんと休んでほしかったし、体調悪いときにわざわざ勉強なんかせんでもええやろって考えやったんです。
でもそれ、Aのこと全然考えてあげれてなかった。
Aは最期まで普通でいたかったって、高校は思いっきり楽しむって言ってたんですよ？
やのに俺、Aを病人扱いしてもうた。」
つい最近、Aに長生きしてもらいたかったって相談したばっかりやのに、中間くんにこんな相談をしてしまう。
矛盾してるのは自分でも分かってる。
でも次から次へと後悔が出てきて相談せずにはいられんかった。
淳太「ヤコブの手紙 ３章２節
わたしたちは皆、度々過ちを犯 すからです。言葉で過ちを犯 さないなら、それは自分の全身を制御できる完全な人です。」
謙杜「それって...」
長生きしてもらいたかったって相談したときと同じ箇所。
矛盾してる内容やのに、聖書の言葉はどっちにも当てはまる。
淳太「いつも言ってるやん。
みんな間違えるって。
謙杜は可哀想やな。
こんな後悔しても何も変えられへんって。
だって同じ聖書の箇所読むってことは、相談の系統同じってことやん。
同じことで悩むとか、謙杜は可哀想やな。」
"可哀想"
それは一番と言っていいほど嫌いな言葉。
冗談で言われるなら全然いい。
でも本気な感じで言われると同情されてるか、軽蔑されてるかのどっちかで捉えてしまう。
Aのことも可哀想な子として扱われるのは見てて腹が立った。
やのに、俺...
謙杜「ありがとうございます。」
中間くんの店を出る頃には、自分が悩んでたことってしょうもないって思えた。
俺はあのとき、ホンマにAを可哀想な子として扱ったかなって思い返したけど、あの頃の俺はAを1人の高校生として扱ってた気がする。
病人扱いなんかしてなかったやん。
病人扱いやったらもっと優しくしてたやろ。
ほら、解決。
中間くんの力はすごい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 24人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ありな。(プロフ) - とびっ子民はえびえびさん» ありがとうございます！亀更新になること予想されますがこれからもよろしくお願いします笑 (2018年7月25日 23時) (
レス) id: c5b94f1fc6 (このIDを非表示/違反報告)
とびっ子民はえびえび(プロフ) - 新作おめでとうございます。 SKDSの時とは違った作品になるのかな…？と楽しみにしています。 ありな。さんのタイミングで更新頑張ってください。 (2018年7月24日 3時) (レス) id: 043c2ce6ae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ありな。 | 作成日時：2018年7月23日 22時
