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偵察。 ページ44

もし揉め事が起ころうとも、龍園君がそれを捩じ伏せない筈が無い。

「総じてDクラスの上位互換…そう言わずには、いられないわね。」
『そうだね。』

鈴音さんが、ポツリと零した。

次いで向かったのは、Aクラスの所有するスポット。
私達も見かけた、あの洞窟だ。
鈴音さんが片目を瞑って入口の要様子を伺うが、流石に何も見えないらしい。
まぁ、ここからでは中の様子も何も分からないものね。
すると清隆が、見に行くかと言って立ち上がった。
面食らった鈴音さんが待ったをかけるが、既に前のめりに歩きかけている清隆は止まろうとしない。

「Aクラスだからって、怯えてても仕方無いだろ。」
「どういうつもり?不用意に姿を晒しても、得は無いわ。」
「このままコソコソ隠れてても、何の進展も無いからな。行くぞ、A。」
『はぁい。』
「ちょっ、旋毛風さんまで。貴女まで、何を便乗しているの。彼の幼馴染なんでしょ、止めないの?」

清隆に言われて立ち上がった私に、ギョッとしたように声をかけた鈴音さん。
私は、ニコリと笑って見せた。

『こんな風にやる気になった清隆を止めるのは、かなり難しいから。それに、私も多分清隆と同じことをするわ。何もしないってのが、実は一番リスキーなのよ鈴音さん。』

何処かで聞いたような文言を適当に並べ立て、スルリと彼女の追求の目を掻い潜る。
観念したのか、鈴音さんも立ち上がって後に続いた。
Aクラスが所有するスポット…もとい洞窟の入口の前は、とても開けていた。
鬱陶しい程沢山生い茂っていた木々も、そこだけはまるで削り取られたかのようにパックリと地面が露わになっている。
故に、私達が堂々と正面から乗り込もうとすれば、見張りの人間から丸見えということだ。
弥彦と呼ばれていた見張りの青年が、早速私達のことを視界に入れて眉を潜めた。
怒っていると言うより、困惑していると言った方が良いだろう。
そりゃそうだ、敵前に堂々と姿を見せるライバルが何処に居る?

「偵察に来たのよ、何か問題でもある?」
「はぁ?」

青年の明確な混乱を華麗に無視し、鈴音さんは洞窟の入口をくまなく観察した。
といっても、入口は幕で覆われていて中の様子は何も伺えないのだけれど。
こんなの有りなのだろうか、言い様によっては姑息とも捉えられかねないが。
鈴音さんも、同じことを呟いた。

「お邪魔するわ。」
「おい!」
「…何?」
「ここはAクラスが占有してるんだ、勝手なことをするな!」

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沙羅(プロフ) - 橋本ー!!!!ありがとうございます!この小説に橋本と龍園が出てくるだけで最高にテンション上がります!これからも応援してます! (3月27日 1時) (レス) @page22 id: e669b9fbcc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2024年3月18日 18時

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